ＳＯＵＬ　ＫＩＴＣＨＥＮ : Archives [ 2010年10月 ]

【美容と健康なハードボイルド実話！】

　俺の名前はハンク。
センズリストだ。

な、なにがおかしいんですか！

いいか、センズリストたるもの、日々の鍛錬と食事には労力は惜しまない。
ある男が言った。

「効率的に筋肉を肥大させたいなら、懸垂しながら両脚を上げることだ」

ひ弱だった僕は、ブルワーカーで．．．いや！最初は男の世迷い言だと思っていたが、俺も今ではジョギング・コースの途中にあるブランコの梁を使ってやっている。
鉄棒や雲梯がある公園が近場にないからだ。
軽快なステップでブランコに飛び乗り、バランスを保って梁に掴まるのだ。
チンポ間違えば．．．だから、なにがおかしいんですか！
一歩間違えば、ケガの素だが、バランスを保ちながら俊敏に動くことで、いついかやるときも即座にセンズリが出来る修行の一貫だと、ワシは思う。
もしも俺が通りがかりの、正義感が強いジョーシキ人であれば、即座に通報しているところだ。
そう、俺はタイト・ロープを渡りながら、シュールにぶら下がっているのだ。
こんなタフ（危険）な男に惚れるなよ？
成長ホルモンの分泌を促し、いかなるオカズでもセンズリできるような性欲を得るためだ。
しかし、谷亮子だけは勘弁してくれ。理由は聞くな。

　センズリストはスーパー探検隊でもなければならない。
スーパーの目玉は「広告の品」という名の特売品だけではない。
「タイム・サービス！」でもない。
格安で栄養価が高いものが二束三文で売られていることがあるからだ。
昨日の収穫は、チリ産で少々脂くさいがのあらだった。
お値段198円。三回は食える量だった。
俺はパックを手に取り心の中で呟く。

「鮭。一見赤身魚であるが、白身魚。タンパク質やタウリン等を考えれば鰹などの方が優れているがコスト・パフォーマンスに優れている。何より、このまんこ色、いや、サーモン・ピンクはアスタキサンチンによるものだ。ビタミンEを遙かにしのぐ抗酸化作用がある。ビタミンD、ビタミンB群も豊富でお肌ツルツル、ザーメンもドバドバだ」

しかし、鮭のあらは一種のギャンブルだ。
塩をふってなければ煮物にできるが、塩がふられていれば、焼くか大根、人参と一緒に、あらから出る塩味のさんぺい汁にするしかない。
幸い、帰宅してクンニするように舐めたところ塩はふられていなかった。
夕食は鍋にすることにした。

　翌日は介党鱈の白子、つまりザーメンだ。
ザーメンを半額で売られていたのをハンティングした。
俺はパックを手に取り心の中で呟く。

「俺はよく、ザーメンをネーチャンに飲ませていたが、よもや俺が食うことになるとはな。しかしだ、魚のザーメンはミネラルに富む。悪玉コレステロール増加が気になるところだが、ジョギングが趣味の俺には大したものではない。ザーメン食ってザーメンドバドバ。悪い話ではない」

　わからない奴のためにもう一度言う。
俺の名前はハンク。
センズリストだ。
サプリメントに頼るのもいいだろう。
しかし、センズリストたるもの食材からザーメンの素を摂取してこそなのだ。
回数や量だけではない。
センズリストにも哲学がある。
食生活と運動だけで、考える前に感じてしまう至高のセンズリを体得できるのだ。
わからない奴のために、女限定でもう一度言う。
こんなタフ（頭おかしい）な男に惚れるなよ？
何？指で摘めるザーメンを味わいたい？
ふっ、ギムレット（ザーメン）には早すぎる。
どこかで聞いた科白だが、まあ、いい。
今、俺はこうだ。