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『ハートに火をつけて』/ドアーズ(デビュー40周年エディション)

2011年07月29日 21:50

13393.jpg『ハートに火をつけて』(1967年発表)
<デビュー40周年エディション>
(2007年発表)
1.Break On Through (To The Other Side)
2.Soul Kitchen
3.The Crystal Ship
4.Twentieth Century Fox
5.Alabama Song (Whisky Bar)
6.Light My Fire
7.Back Door Man
8.I Looked At You
9.End Of The Night
10.Take It As It Comes
11.The End
12.Moonlight Drive (Version 1) (Bonus)
13.Moonlight Drive (Version 2) (Bonus)
14.Indian Summer (8/19/66 Vocal) (Bonus)



 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、米Amazonで購入したのは他作品で、どーも酔っぱらってデビュー作だけ日本Amazonで注文したよーです。(酔っぱらいは恐ろしいな。)
いや、多分、会計時の割引とかから「1stだけは米と値段変わらんじゃん」と思ったのかと。思いの外スピーディに届きました。
で、ドアーズ・ファンを自称しときながらビンボー故に未聴だった、ブルース・ボトニックが手がけたデビュー40周年盤。
一言で語るなら「若年層の新規ファン開拓」。

 こり、賛否両論な理由がわかりました。

音が1960年代の作品とは思えない。

良く言えば「へぇ、ここまで出来るんだ」とか未体験のしとは「ドアーズってカッチョエエ!」ですが、悪く言えば「色々といじりすぎだろ」と思いました。
最初に結論書いちゃうと「未体験ならコレを買え。思い入れのあるファンは以前のリマスター盤を売るな」です。
まず気になったのが、音の分離が良すぎです。
こりはやっぱ、1970年代から本格的に導入されるよーになった設備があってこそと、最新鋭の技術の融合かと。

 いぢりすぎと思ったのは、ロビー・クリーガーのギターが「録りなおしたのか?」っつーくれー音のツブが揃ってるのが一点。
ファンの思い入れは様々ですが、彼は様々な楽器を試し、最終的にエレクトリック・ギターに辿り着きました。
ただ、ラヴィ・シャンカールのインド音楽教室とスパニッシュ・ギターのレッスンを受けてたんで下地はあり、エレキ・ギター歴一年の割に弾けてる方かな、と。
この彼のギターが作品をおうごとに上達してくのがまた楽しみなわけだったんですが、アイディア先行(彼はテクニックより作曲能力等が当時優れていた。)ながら「んー、もう少し上手かったら」なとこが修正されとります。
功を奏したのはEnd Of The Nightとか、どっちかっつーと捨て曲にされがちな曲できっちり弾いてるよーにいぢってるんで早送りしねーで済みます。
あと、以前のリマスタリングで「うぉっ、ジャズの名盤みたいじゃん!」なジョン・デンズモアのドラムが喧しすぎです。
特にライド・シンバルやハイハット。彼の持ち味である絶妙な強弱の付け方が無くなってるっつー。
特に、マニヤが指摘したとーりLight My Fireはテンポが若干速くなっており、僕なんかはオルガンとギターのソロに入るあたりで、泥酔しながら虚ろな目をして大音量で聴くのが好きだったんですが。
こうね、テローンテローンテローン...お、きたきたきた!「タカタカタッタ、タンタンタン!チャンチャラランラ~♪」とイントロが再び鳴り響くとカタルシスを覚えるのです。
でも、ロックにそんなん求めねーなら、鋭角に聞こえるスネアとかこの程度のテンポがええのかな、と。

 一番不可解と申しますか、絶対音感がねー僕の耳なんで断言できねーんですが「ジム・モリソンの歌、ピッチいじってないか?」と。
ただし、単に音程を正確に合わせたなら萎えますが、息づかいや声の掠れ等の、おそらく当時のアナログ盤でも聞こえなかったと思われる波形を拾って自然な状態にしとるのはお見事だと思いますが。
だって、ボーナス・トラックの1966年録音と記されたIndian Summerが後に収録される『モリソン・ホテル』よか上手いんすもん。
ただ、The Endは大胆なリミックスはしてねーですね。これやったら酷評されてたと思います。

 The Endは、僕みてーな後追い世代が聴くと「プログレッシヴ・ロックへの布石だ」と演奏や展開がやや稚拙な点も「1966年からライブで演奏してた事実と、1967年にアルバムにこんな曲を収録するのも前代未聞で凄い」なんて思いますから。
この曲は、一回目の録音にイマイチ納得できんかったプロデューサーのポール・ロスチャイルドが「もう一回だ」と二回目に録音したものの前半と後半を繋ぎ合わせてます。
なので、この曲を変にいぢったり、別テイクに替えたりするとドアーズ自体の価値が半減しますから。
別テイクなら未発表曲集出せっつー。

 本作のボーナス・トラックは、前述のIndian Summerの他、次作『まぼろしの世界』に収録されたMoonlight Driveのアレンジ違いが二通り収録されとります。
時勢からいって、ヴァージョン1をシングルにしてたらヒットしたと思います。
ポップでオサレなサイケで、ジム・モリソンの歌もメロウだからです。
ただ、このテイクを採用せず、ジョージ・ガーシュインのSummer Time(ジャニス・ジョプリンのカヴァーが有名なアレ。)のイントロをパクったアレンジで良かったと思います。
ドアーズ=暗いっつー代名詞にもなった最高傑作『まぼろしの世界』の世界観をぶち壊さないんで。
とはいえ、秀逸なアレンジなんで、最後に聴いてみましょうか。

 冒頭で既に書いたよーに、本作は昨今の明瞭な音に慣れた層や、触れたことがねー向けだと思います。
んなわけで、試行錯誤しながら古くさいながらも生々しい音が好きなら、過去にデジタル・リマスターされたのは手放さないこってすな。
てか、紙ジャケやらで何度も再発されてますから、中古で容易に入手できると思いますが。

<Moonlight Drive(ver.1) - The Doors>


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After The War/Gary Moore

2011年07月07日 01:38

After the war『アフター・ザ・ウォー』
(1989年発表)
1. Dunluce (Part 1)
2. After The War
3. Speak For Yourself
4. Livin' On Dreams
5. Led Clones
6. The Messiah Will Come Again
7. Running From The Storm
8. This Thing Called Love
9. Ready For Love
10. Blood Of Emeralds
11. Dunluce (Part 2)
12. Emerald
13. Over The Hills And Far Away (Live)
14. Military Man (Live)
15. Wild Frontier (Live)



 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、今日の記事は、ゲイリー・ムーアが急逝した直後に書いた記事の中から選んでリライトしたもんです。
ちょーど時事問題も絡んでるんで。

 ゲイリー・ムーアってしとは、天賦の才をうまく活かせなかったミュージシャンだと思います。
正直、「客観的に代表作」っつーのは邦題が『大いなる野望』だった、現在はまんまな『コリドーズ・オブ・パワー』(1982年発表。)くれーですから。
なんなんすかね、噂どーり我が強すぎるのか、新しモノ好きな嗜好が祟ったのか。
彼がメジャーになる以前の作品、例えばフュージョン色の強いスキッド・ロウ時代とか「頭おかしいだろ?」なギター弾いてますし、G-フォースも彼のロック・ギターが爆発してんのに、当時もてはやされてたライン録音(明瞭な音になるが、アンプの特性やライブ感に欠ける。)で台無しでしたし。
挙げ句、ドラム・マシンや一足遅いブレイク・ビーツへの傾向やらで作品の質を下げてます。
ただ、それでも僕みてーなファンは「傑作!」と挙げるアルバムは多く、「ボーナス・トラック入りのデモ集的ミニ・アルバム」である『ワイルド・フロンティア』もギターの素晴らしさと作曲能力の高さから評価されとると思います。(上述のドラム・マシンの使用や曲毎にプロデューサーやエンジニアを変え、音圧等にまとまりがない。)

 ゲイリー・ムーアが亡くなる前年に久方ぶりの来日を果たしましたが、日本のファンは彼がブルースに走ろうが、失笑物のエレクトロニカとの融合に迷走しよーが彼の代表曲やギターを愛してました。
んで、21年も来日しなかった理由の一つが、「日本人は捕鯨をするから嫌い」と聞いたときはたまげました。ホントかなぁ。
だって、彼は親日な面がありましたから。1980年代前半は間髪入れずに来日してましたし。
長らく抑圧や内紛に苛まされてきたからか、アイルランド出身のミュージシャンは反戦や不条理をテーマにした曲を書くことが多いです。
冷戦時代の幕開けにはグレッグ・レイクとコラボレートしてNuclear Atackっつー核兵器に反発する曲を書いてましたし、その前にはHiroshimaっつーモロに広島への原爆投下を非難する曲を発表してましたから。
とはいえ、単純に左派と片付けられねーのは、大韓航空機事件を題材にしたMurder In The Skyっつー曲もあるんで。

 本作は、ゲイリー・ムーアが発表したハードロック作品の最後にあたります。
で、デジタル・リマスター前は「音圧のまとまりはあるのに作風がイマイチ」でした。
よって、「各ファン毎に目当てが異なる迷作」と思ってました。
ストレートなロック曲もあれば、アイルランド民謡に根ざした曲もある。更にはロイ・ブキャナンの「メシアが再び」のアグレッシヴ・カヴァーもあります。
が、デジタル・リマスターされた際に、ボーナス・トラックとして四曲追加されました。
これで作品に対するイメージがガラっと変わりました。

 以前書きましたが、経済大国が軒並みヤバイです。
ただ、政経に疎い僕でもわかるのは、「手が付けられなくなる前に戦争が起こる」で、地震よろしくどこで戦火があがるか予想できねーです。
果たして、僕ら平和ボケ世代が対岸の火事のよーに思えるもんなのか、先進国揃って一発デカイの始めるかわからんっつー。
んで、ゲイリー・ムーアは本作のタイトル・トラックであるAfter The Warで歌っております。

戦争は終わった
だが、炎はまだ消えていない
お前は、一体誰のために戦ったんだ?
-After The War(やや超訳。)


んで、デジタル・リマスターされてから、『ワイルド・フロンティア』のタイトル・トラックのライブが最後に収められております。

(記憶にある美しい故郷が戦火と血で汚された今。)
泥まみれで開拓した時代に戻るんだ
泥まみれで開拓した時代に戻るんだ
あの時代が呼んでいる
君は聞こえるか、呼んでいるのを?
俺は聞こえる
-Wild Frontier(これもやや超訳。)

こり、今の日本人ミュージシャンが「がんばれ~、がんばれ~♪愛してま~す♪」みてーに歌うよりずしりときます。
流石に汚染を食い止めねー限り、復興もクソもねー状況ですが、もし、日本を再び安心して暮らせる状態にするには、相当な覚悟で挑まねーと無理っつー点は共通してます。
んなわけで、「復興大臣」だの「復興のために○○しよう!」っつーのが薄っぺらく脳みそに入るのです。
「じゃあ、オマエがやってみな」と言われても、前々から書いとるよーに、アホな政府や周辺機関を目の当たりにして市井の人間は無力なのです。
菅直人みてーに口だけじゃなく、ホントに、「満身創痍になるまで死力を尽くす」っつー宰相と人材が揃ってねーと文句言うことしかできんのです。民主主義国家と自称してんすから。
僕ぁ横丁の呑んだくれですが、遠回しに書くとそういうわけです。
とはいえ、一曲聴いて観てみましょー。
しかし、いつ見てもコージー・パウエルのドラム叩くアクションは絵になるなぁ。

<After The War/Gary Moore>


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Over The Hills And Far Away/Nightwish

2011年07月04日 02:57

Over the Hills  Far Away『オーヴァー・ザ・ヒルズ・アンド・ファー・アウェイ』
(2001年発表)

01.Over The Hills And Far Away
02.10th Man Down
03.Away
04.Astral Romance
05.The Kinslayer (Live)
06.She Is My Sin (Live)
07.Sacrament Of Wilderness (Live)
08.Walking In The Air (Live)
09.Wishmaster (Live)
10.Deep Silent Complete (Live)



 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、本作は、今年他界したゲイリー・ムーアのカヴァーOver The Hills And Far Awayと、デビュー当時チープだった曲をリレコーディングしたのが目玉なミニ・アルバムです。
ライブはオマケです。
しかし、Over The Hills And Far Awayも罪な曲ですな。
本家はギターはスゲー情念こもっとるのに、当時のドラム・マシンの音や、ゲイリー・ムーアの暑苦しい歌い方(英語圏のファンにとって、発音が押しつけがましく聞こえるらしい。)で、損してます。
が、名曲であるこたぁ違いねーんですが、本作収録のは逆に歌が素晴らしいのにギターがお座なりです。
なんかですね、本家を単になぞっただけで、ゲイリー・ムーアの真骨頂であるギターに情念を宿すオーラが感じられねーとこが残念です。

 よく、「ああ、洋楽ばっかで邦楽は聴かないんです」っつーと、「歌詞の意味とかわかるの?凄いね」と厭味を言われます。
あー、理解できるのとできねーのがあります。大体、英会話堪能でもメロディに乗せた歌詞はブロークンな側面もあったり、わざと曖昧な発音で歌うしともいますし、耳だけで理解できるしとは少ねぇと思います。日本語の曲ですら「なんて歌ってんの?」ってのもケッコーありますから。
てか、歌詞以前に「この音は凄い!」とかへ最初耳が行くんですがね。
因みにこのOver The Hills And Far Awayは、歌詞カード読むと、訳が無くても理解できます。英語力が弱い僕でも。

 かなり前っつっても、震災と原発事故前ですが、アイルランドについて触れた記事を続けたことがあります。
Over The Hills And Far Awayは前世紀末まで続いた、日常の悲劇を描いとると思います。
物語の主人公が親友と呑んどると、ささいな過ちで親友は銃殺っつー行為に及んでしまいます。
んで、親友の罪をかぶるため、主人公はアリバイを捏造し、自分に罪がかかるよーに仕組みます。
結果、親友は無罪放免になり、主人公は故郷を遙か離れた刑務所に投獄されます。
が、主人公は故郷で自分を待っている妻のために脱獄し、「丘を越え、山を越え、遙か彼方を目指した」のでした。
親友の罪を被り、妻のために命がけで脱獄っつー、映画ならハッピーエンドな展開ですが、実は「アイツはもう生きて戻れないだろう」と、主人公の親友はその妻をたらし込んで二人とも新しい人生を歩み始めてるっつー。
そーとも知らない主人公は「俺はこの丘を越えて遙か遠くを目指すぞ!」と諦めてねーっつー不条理。
この曲に対して、ナイトウィッシュも「思い入れがある」っつーことでカヴァーしたそーですが、詳細はインタビューが掲載されたであろう雑誌を読んでねーんでわからんです。
ただ、その割に前述のとーりギターやらがヘボかったり、PVが「ダサイ、トテモ、ダサイ」なんですが。

 ガキん頃みたく、一極集中型に音楽を聴かなくなったんですが、2004年に発表した『ワンス』に「あのチープなバンドが、凄ぇ!」と驚いてたら、それからほどなくしてバンドの顔だったターヤ・トゥルネンがクビになってたんすね。勿体ない。
なんでも、「傲慢な振る舞い等にバンドがついていけない。よってクビ」っつー理由みてーです。
確かに、ナイトウィッシュっつーバンドはトゥルネンが有名にしたよーなもんで、デビュー当時は「ああ、ぽっちゃりだからオペラ声も出せるんだ」と思ってたら、シェイプ・アップしても歌唱力は落とさなかったですから。
なので、付けあがってもおかしくねーと思うんですが、後任のアネッテ・オルゾンの声が細い上、個性が希薄なんで「なんだかなぁ」と。
んなわけで、ターヤ・トゥルネン在籍時のライブにおけるOver The Hills And Far Awayを観てみましょー。
てか、彼女、僕と同世代なんすよね。

<Over The Hills And Far Away/Nightwish(Live)>


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Thunder In The East/Loudness

2011年06月28日 20:06

Thunder In The East『サンダー・イン・ジ・イースト』
(1985年発表)
1. CRAZY NIGHT
2. LIKE HELL
3. HEAVY CHAINS
4. GET AWAY
5. WE COULD BE TOGETHER
6. RUN FOR YOUR LIFE
7. CLOCKWORK TOY
8. NO WAY OUT
9. THE LINES ARE DOWN
10. NEVER CHANGE YOUR MIND


<この時期故、本題まで相変わらず長いです。>

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、もー、毎日嫌なニュースでやんなっちゃいますね。
原発関係にしても、もんじゅばりに事故ったら危険かつ老朽化で事故りやすい佐賀県の玄海を、経産省が「賛成派だけを集めた」、つまりサクラに対して安全性の説明会を行ったり。
福島でこーなんすから、西日本も殺す気かっつー。
いくら腐った集まりっつっても清廉派はいるはずで、去年でしたっけ、仙谷由人に恫喝されたっつー、同省の古賀茂明を辞職に追い込むニュースがありました。
甘い汁を吸えるとこに居ながら、「天下りの規制を強めるべき」と本来こーでなくちゃいかんことを主張したり、福島第一原発事故に対する政府及び関係機関の対応に「日本も電力市場を欧米化すべき」と主張してきたことがいかんかったらしいです。
こーゆーニュースを大々的に報じるべきだと思います。
以前から「革命じゃ駄目で、もうクーデター起こさなきゃ駄目だろ」(革命とクーデターは定義が異なる。)っつーのは、得体の知れねー輩やマスメディアに煽られてシュプレヒコール上げるんじゃなくて、こーいった表も裏も知っとるしとを応援すべきだと思うのです。

 あと、邦楽は大昔の懐メロ、殆ど洋楽ばっか聴いとる僕みてーな層にすると「早くも真の意味でビッグ・ネームの仲間入りだな」と思いましたが、レディ・ガガが売り出した東日本大震災の義援金にあてるとリスト・バンドに対しての訴訟問題が、海外とは異なる切り口で報じられました。
この展開を予想してたファンは多いはずで「ああ、意外にありがちな支援を画策してガッカリだ」と思ったもんです。
が、日本に来た上、十日間も滞在ですから。
これまた大々的に報じられてませんが、基準値自体が狂気なのにそりを超える汚染が東京都江戸川区の清掃処理場で確認されました。関東ですらこれですから。
以前の記事にも書きましたが、後年「放射能汚染された国でプロモーションとパフォーマンスを行った」っつー事実はどデカイもんになりますから。
で、なんで、レディ・ガガをまた引っ張ってきたかっつーと、当ブログにおける、ここ数日のポータル・サイトからの来訪に「レディ・ガガ ストリッパー」が多いことにびっくりしたからです。

 日本って妙なとこに「まあ、汚らわしい!」っつー風潮があります。
バイアグラ使ってHIV感染する団塊世代が多いくせに。
あ、僕ぁお付き合いするときは必ずHIV検査を行って、HIV、肝炎が陰性である結果を見せてます。ふふふ、安全・安心。寂しい女性の方、お待ちしております。(ただし変態。)
あ、あー、ストリッパー出身のミュージシャンやモデルは一人や二人じゃねーですし、男性でも売れるまでポルノ男優やってたっつーしともいます。
で、日本のストリップも大御所になると風情がありますが、海外はリズム感や運動神経がなきゃできねーもんです。
ステージのセットも豪勢で、勃起するために観るっつーより、その名のとーりショーを堪能するっつー傾向です。
なので、レディ・ガガっつー芸名になるまでの「ミュージシャンではない。ダンサー兼パフォーマー」っつー時期も合わせて、現在の「ペイできれば万歳。まず赤字だろう」っつーステージ・セットや服装なんかに応用しとると思います。
よく「リズム感が凄い」っつーのもデビュー前の色々な鍛錬からきとると思います。
まあ、テメーの芸を披露する以上、ストリッパーもセレブなポップ・スターも同じ河原乞食ですから。

 今に始まったことじゃねーですが、日本国旗と君が代に関するニュース。
これ、僕ぁ意味わからんのですよ。
「思想の自由が奪われる」とかって理由が更にわからんです。
政経に疎い僕でも知っとりますが、日本は国旗を民主党の党大会みてーに破いたりしても罰せられる法律はねーです。
が、他国じゃ「自国の国旗を損壊することは違法である」っつーとこが多いです。
国歌にしても同様で、アメリカだと国家を不遜に演奏すると罰せられるみてーです。
こりはジミ・ヘンドリクスがTV出演した際、パーソナリティから「知ってる?」と聞かれ「ふざけて弾いたつもりは無い」と答えたことがあります。(ラスト・ステージになったワイト島フェスティバルを収録したワイルド・ブルー・エンジェル』に挿入されている。)
君が代だって、単純に音楽として分析すると、荘厳にして見事な曲だと思います。
で、こーいったことに前世紀末からヒステリー起こしとる輩におくってあげてえのが本作です。(やっと本題か。)

 結成当初は「話が違う!」とアイドル・バンドとして売り出されたレイジー解散後、ギターで現在のリーダーである高崎晃曰く「硬派なロック・バンドのはずだったのに、最初は騙されたと思ったわ」と、同じくレイジーでドラムを担当していた故・樋口宗孝と結成したのがラウドネスです。
ラウドネスがデビューする以前から「日本人とは思えない」と言われるロック・バンドはおりましたが、やっぱ欧米諸国のバンドには敵わず、典型的なハードロックもやれば、変拍子をベースにした高度な曲もやるラウドネスのデビューはセンセーショナルだったと思います。

 んで、年に一枚のペースでアルバムを発表しとったら、メタル・ブームもあり、国内盤が海外から取り寄せられるっつー珍現象が起きました。
これに対し「ひょっとして、世界で通用すんじゃね?」と、1984年発表の『撃剣霊化』は英語版も作製され、日本語版には無かったイントロ曲もつけてヨーロッパをツアーしました。
ほいだら大盛況でして、「次作は海外市場を前提に」と本作が制作され、アメリカでの配給は大手アトランティックと契約しました。
プロデューサーはオジー・オズボーンやらも手がけた、メタル・ブームにおいて裏の立役者だったマックス・ノーマンです。
このレコーディングは熾烈を極めたよーでして、ギターの録音だけでもジャズやフュージョンばりに「弦を強く押さえ過ぎ。音程が若干高くなってる」とかきめ細かいとこまで駄目出しされたそーです。
長らくCD化されてから籠もった音だったんですが、CD向けのリマスターが今世紀に入ってなされてから「細かい点は聞き分けられんが、音が1985年の洋楽にひけをとらんじゃないか!」とたまげました。
よく大御所が数年かけて制作するこたぁありますが、年に一枚のペースでこれだけの作品を作ったのは凄いです。
更に、売り出しはアメリカ市場からだったのに、ジャケットが旧陸軍の日章旗。(裏は雷神をイメージしたメイクのメンバー写真。)
ヴォーカルの二井原実も日章旗のTシャツでステージに上がっておりました。
んで、高崎晃は君が代を演奏したり、とにかく「俺たちは日本のバンドなんだ」っつーアピールです。
こりに対して、アメリカのファンは嫌悪するかと思えば「ラウドネスはハンパねえ!(Loudness is BOMB!)」とコーフンしとりました。
ビルボード・チャートで74位っつー成績から「大したことねーじゃん」と思われますが、その後、海外進出したバンドはいくつかいましたが、チャート圏内に入ったのはラウドネスだけです。宇多田某みてーに組織票的な購入で「チャート・インしました!」とは別次元です。
CDが売れなくなった現在は、当時のチャート圏外の売り上げでもTOP20くれー入れるみてーですが。

 ラウドネスは、私生活じゃ色々噂があるものの、音楽には他人に厳しく自分にはもっと厳しいリーダーであるドラムの樋口宗孝が亡くなりましたが、現在も活動を続けております。
ただ、肝細胞癌っつー現代医学じゃ助かりっこねー病気が判明するまで、全くドラミングが衰えなかったことはおとろしいです。ええ、ドラムが叩けない故、ドラムに耳が行く僕ぁ思います。
ただ、個人的には本作より『撃剣霊化』のが好きなんですが。
本作は洋楽色が強すぎて、完成度が高い代わりにラウドネス本来の個性が薄れてる気がするんで。
んなわけで、『サンダー・イン・ジ・イースト』制作の布石になった1984年に行ったヨーロッパ・ツアーから一曲観てみましょー。笑っちゃダミです。当時は海外もこんなんでしたから。
でも、高崎晃は巧いなぁ。テクニックだけじゃなくライブでも簡単なパートも手抜きしてねーとことか。
あ、不意に思い出しましたが、マスメディアが必死に韓流ブームを煽ったり、反日感情に関するニュースを流してますが、ソウルで行われたラウドネスのライブが日本よりファンが狂喜しとるのはどーなのか?と。

<Crazy Doctor/Loudness(Live1984)>

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Born This Way/Lady GaGa

2011年06月22日 23:15

Born This Way『ボーン・ディス・ウェイ』(2011年発表)

1.Marry The Night
2.Born This Way
3.Government Hooker
4.Judas
5.Americano
6.Hair
7.Scheisse
8.Bloody Mary
9.Bad Kids
10.Highway Unicorn (Road To Love)
11.Heavy Metal Lover
12.Electric Chapel
13.You And I
14.The Edge Of Glory
15.Born This Way [Jost & Naaf Remix]


 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、暑いですな。梅雨も明けとらんつーのに。
「暑い」にかけて「熱い」っつーわけで、僕ぁ「芸に命がけ」なしとが好きです。
もし、僕に才能があれば同じスタンスでいるつもりですが、横丁のアタマおかしい奴なんで、嫉妬と憧れです。
よく触れるフランク・ザッパもそーでしたし、江頭2:50とか。
んで、レディ・ガガが来日しました。
MTV Japanが企画した「東日本大震災被災地支援イベント」出演のたみです。
AKB48やら広告代理店が手回しした韓流なんかが殆どの中、欧米から参加するビッグ・ネームは彼女一人だけです。
イベントの主旨やらはこの際、どーでもえーです。
「この時」と「来日してパフォーマンスした」(イベントは6/25に幕張メッセだったか?)ことは、今後のキャリアにおいて、どデカイもんになると思います。

 震災及び原発事故後、所謂外タレの来日が激減しました。
来てくれたのは1980年代、つまり、まだ日本が主要なマーケットと見なされていた頃に全盛期だったミュージシャンが殆どです。若手もいますが。
殆どが「諸事情により~」を理由にしてますが、要は被曝を恐れてなんだと思いますがね。
春にトークショーのため来日する予定だったジミー・ペイジが、「政府から(放射能汚染の危険性があるため)渡航禁止が下されたので中止」っつー方が銭ゲバ呼ばわりされつつ誠実です。
過去にビッグ・ネームが、いつ紛争が繰り返し起こるかわからんっつー国でコンサートしたりっつーのはあります。
が、今の日本は銃弾が飛んでくるどころじゃねーです。
「危険度はチェルノブイリと同等かそれ以上」「初動のミスと有効な技術を迅速に活用しなかったことが大惨事につながった」と海外及び国内の学者さんや専門家が指摘するくれー、人類史上初めての状況下に「リスクを回避することも重要だ。理解を求めたい」と言えばいいのに「諸事情により~」は「日本人をなめんじゃねえ!」と思うわけです。
なので、レディ・ガガの「日本が安全であることをアピールするわ!」っつー発言は日本のファンより、「諸事情により~」で来日をキャンセルしとるアーティストに対してのアイロニーだと思います。
だって、去年のモンスター・ボール・ツアーなんか、動画でいずれの会場を見ても、デビューして二年目とは思えねーくれー会場のキャパシティも大きくなり、別にこのイベントに参加しなくても痛くも痒くもねーはずですから。
震災前ですが、真偽不明なものの、来日すると必ずドーム・ツアーをしとるバンドが周囲から「日本は今不景気だから赤字になる。とはいえ、小さな会場に変更すると落ち目のイメージを与える。この都市はとばそう」と進言されても「世界的に売れる前から愛してくれていたのに?予定通りやる」っつったバンドがおりました。(ボン・ジョヴィな。)
が、「CDが売れない」とか「昔は最低でも武道館だったのに、クラブチッタがやっと」と招聘元が嘆いとる日本は、外タレにとって最早重要な市場じゃねーはずです。
そこに単独アリーナ公演じゃなく、幕張メッセ程度のキャパのイベントのために来日って本人もダンサーやスタッフもかなりの覚悟だと思います。

 レディ・ガガが来日した事実を「どデカイもんになる」っつーのは、政府という名の学級会とそれらをとりまく利権関係で、日本っつー土地に人が住めなくなるかもしれねーからです。
「売り上げを義援金に。それとは別に自分も寄付する」とリストバンドを売り始めた頃は、「なんかU2のボノみてーだな。てか、U2も初心にかえれよ!」と思ったもんですが、実際来日されると「ああ、彼女はリアル・シングだ」と。
もし、数年後、民間人でも渡航禁止になるほど日本が死に体になった際、今回の来日は重要なもんになるはずですから。
あと、本作のタイトル・トラックの題名が立場は異なれど、強烈なメッセージになりますから。

 Born This Wayの歌詞は、テメーがスーパー・スターになるために生まれてきたっつー内容ですが、「この人生のもとに生まれた」、更には曲がフェイド・アウトする際「だって、この運命に生まれたんだもの」っつー囁きは、現在の日本人にとって、ぐっとくるもんがあります。
彼女は今や売れっ子、僕らは怯える日々。
が、共通するのは「これが僕私の人生(運命)。ならばそれを生き抜こう」っつー点です。
金ががっぽりあって、セレブリティな生活が幸せか?天災の後に人災で苦しみながら生きるのが不幸か?
こりは人それぞれです。
よく、勝ち組、負け組なんて言葉を耳にするよーになりましたが、もしかすると前述のどっちも、何があるかわからんですもん。
偽善も糞食らえ、終末論も糞食らえです。生き残らなきゃ、幸せだったか不幸だったかわからねーですから。
なので、明るい未来を夢みてる輩も、それに反発して「死んだ方がマシ」な輩も大嫌いです。
前者は、「そーか、じゃあ、復興のために検査してない被災地のもんをモリモリ食えよ」と、後者は「そーか、じゃあ、死ね。その代わり他人様に迷惑かけんなよ」と思っとります。
平和ボケのお時間はお終いです。だって、「どうせ滅ぶんだから」なんて言えるしとは、実は「僕私だけは助かる」と潜在的に思ってるよーなもんですから。

 やっと本題のアルバムに関してですが、個人的に過去最高傑作と思っとります。
前作にあたる『モンスター』も秀作でしたが、ちょっと拡散しすぎちゃったかな、と。
んで、本作は、もろに1980年代へのオマージュです。
六年くれー前、「近々、昔のように起伏があるメロディアスな曲のアーティストがブレイクする」とよく書いてたんですが、やっと出てきたか、と。
ただ、1980年代の単なる焼き直しじゃなく、当時はスカスカだった音に奥行きを持たせてる点が異なります。
こり、僕もそーですが、シンセサイザーに疎いしとなら「マドンナやシンディ・ローパーの昔みたい」と思うでしょーが、僕ぁ「このソウ・リード(鋸状の波形の音。)は何使ってんの?」とか興味津々です。

 前半は秀逸です。
一気に聞かせるよーに、拍数が120~130BPM。つまり、体を動かしたくなるテンポの曲で畳みかけてます。
中盤にハードロック調な曲が並びますが、後半でまた冒頭みてーなノリになるっつー。
部屋でじっくり聴くなら『モンスター』でしょーが、ジョギングやドライブのお供には『ボーン・ディス・ウェイ』ですね。
しかし、シンティ・ローパー、マドンナ、ケニー・ロギンスやらの絶頂期を聴いてきたならともかく、陰鬱な1990年代が多感な時期だったのに、よくこーいった楽曲の数々を作れるな、と。
以前も触れましたが、歌唱力も凄ぇです。デビュー作『フェイム』よりかなり進歩してます。
彼女はメタル好きなんで、敬愛するアイアン・メイデンの「審判の日」なんか歌ったらぴったりだろーなっつーくれーアグレッシヴに歌い方もすれば、彼女の芸名の元になったクィーンのRadio Ga Gaもとい、フレディ・マーキュリーのIn My Defenceを弾き語りしたら恐ろしいな、と思います。てか、ライブでピアノ弾き語りするときのエンディングってフレディ・マーキュリーっぺーですよね。歌い方が。

 アルバムに先駆けて発表された1stシングルBorn This Wayに「全曲このサウンドなら傑作だわ」と思いましたが、続くJudasの歌詞の一部(「ユダ愛してる」といった一節。)をTwitter上で自身が公表したら大バッシングっつーニュースがありました。
で、日本人で仏教寄りな僕からするとよくわからんのですが、父親が敬虔なクリスチャンで、そのため一応は信仰しとるっつー娘っこによると、「ヤバイ」と。
なんでも、PVが「父親が見たら怒り狂うと思う」とのこと。
曲自体は「ユーダァ~、ガァガァ~♪」が耳から離れんのですが、キリスト教圏じゃとんでもねーもんみてーです。こーゆーときにテメーの学の薄さを呪いますね。
んなわけで、最後に物議を醸し出したJudasのPV観てみましょーか。

 レディ・ガガが日本で売り出されたのは、シングルJust A Danceが各国のチャートのTOP20や1位まで駆け上ったのに半年以上経ってからだと記憶しとります。
当時、「最近、どんなのが売れてるの?」と海外のサイトをチェックしてたら、無名の新人とは思えねーもんで、「これは一発屋じゃない」と思ったもんですが、日本市場での売り出し方が相変わらずなんで、ガッカリした記憶があります。
日本人は白人に対するコンプレックスがあると思うんですが、なんで、どいつもこいつも「憧れのお姉様」やら「セックス・シンボル」な手法で男女のファン層を構築するかなと。
僕、彼女がブレイクした際「女版プリンス」と形容したことがあります。
理由は、大御所である同系列にいるミュージシャンよりスタイルが劣っていることと、作曲能力の高さ、シンガーとしてのリズム感や歌唱力に由来するんですが。
あと、レディ・ガガと名乗る前の写真見てですね。(現在は殆ど削除されている。)
Stefani Joanne Angelina
しかし、毎度奇抜なことするんで、菅直人を皮肉ってこんな格好で来日すると思ったら、日本人の逆鱗に触れねー格好で成田空港に降りたって唸りました。
greengaga.jpg
てか、なんだよ、菅直人の防護服。
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<Judas/Lady GaGa>

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