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ファスター・プッシーキャットなんとか

2010年12月26日 21:24

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、以前、エロに造詣が深い方と会話した際、僕ぁ「んー、理想の一つはラス・メイヤーですね」と言いましたら、きょとんとされました。
もしかしたら、プレイや性的嗜好について質問したのに、僕が映画監督の名前を出したからかも知れません。

 ラス・メイヤーが単なる色ボケおやじじゃねーのは、バカバカしい光景の中にひどく哲学的なナレーションがあったり、現在のよーに美容やら整形も発達してなかった時代に、フツーに撮ったら贅肉とかにも注意が向いちゃうよーなグラマーな女優さんをとにかくエロく撮ってるんです。
個人的に「ラス・アングル」と呼んどりますが、巨乳を下から撮すのは今でもAVやらの上等手段ですが、彼の作品で顕著なのは、下斜め45度あたりの絶妙なポジションから撮ってるんです。
こり、映像に疎い僕ぁ上手く説明できねーですが、ラス・メイヤーへのオマージュを感じさせる作品は同様の角度で乳撮ってます。
しかも、エロいだけじゃなく、多くは無名の女優さんをオサレに見せてるとこが「おバカだけど、やろうと思ってもできない」と感じます。
実はシリアスな作品を撮ってもスゲー監督だったんじゃねーかと勘ぐります。

 個人的に、有名になりすぎた『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』より後の作品のが、エロくて、バカなのか高尚なのかわからなくてスカムなとこが好きですが、インパクトの強さじゃやっぱこれが一番かな、と思います。
killkill.jpg
んで、ラス・メイヤーが亡くなった2004年、日本では本田隆一監督によるオマージュ作『プッシーキャット大作戦』が発表され、翌年にはハードコア・ポルノ界からエリザベス・スター監督による『Faster Pussycat Fuck!Fuck!』がトリビュート作として発表されました。

 本来、三作品を比較検証しよーと思ったんですが、シーンを選別してかなり長い記事になるんで今回は『Faster Pussycat Fuck!Fuck!』をご紹介。
Faster-Pussycat-Fuck!-Fu.jpg
『ファスター・プッシーキャット ファック!ファック!』
2005年発表
監督:エリザベス・スター

出演:サマー・カミングス
   エリザベス・スター
   ティファニー・タワーズ
   ロン・ジェレミー
   他



 日本でもステイタスを築いたAV女優がジュエリーや下着のブランドを立ち上げて起業家になるケースがありますが、日本のポルノ産業におけるビジネス・スタイルがアレなんで、まず成功するケースはねーです。
んで、またカムバックするっつー。elizab.jpg
海外は事情が異なるのか、自力で起業しても成功することが可能なよーです。
ポルノとは無関係な方面は知らんのですが、エリザベス・スターは本作を始め、単なるポルノだけじゃなく映画作品のパロディを制作しとるプロダクションを設立しました。


(現在も女優として現役のようで、豊胸手術をした2010年の写真を見ることができる。)

Danni_A.jpg

一番たまげたのは、僕が中高生くらいの頃、ナチュラルな巨乳で話題になったダニー・アッシュが、インターネットの可能性に目を付け動画・画像配信で最初に一山当てたことですかね。
現在みてーなハード路線じゃなく、クォリティの高いモデルさんやらのソフト・コアを配信してかなり稼いだはずです


 お話戻しまして、ハードコア・ポルノの台頭に迎合せず(しかし、自伝的作品『パンドラ・ピークス』主演のパンドラ・ピークスはハードコア女優だが。)ソフトコア路線に拘ったラスメイヤーへ、ハードコア・ポルノ界からトリビュート作っつーのも複雑なもんです。
とはいえ、ラス・メイヤーのファンとしては見ておかなきゃならんです。
えー、まず、冒頭のナレーションに合わせて音声の波形が表示されるのは本家と同じです。
ま、パロディですから波形の角度は異なりますが。
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んで、ゴーゴー・バーで「ヤレ!ヤレ!もっと踊れ!」とコーフンする飲んだくれ親父もちゃんと登場します。
FPCFF(01).jpg
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 冒頭はオリジナルのまんまパクリですが、徐々にパロディの色合いが濃くなってきます。
お馴染みのキャット・ファイトもあらかじめオッパイ出してから始めたりですね。FPCFF(03).jpg

あと、アホな娘っこを連れた男(本家はマッチョ。本作はパンクス風。)が現れてレースをするシーンに突入するんですが、どー見ても勝てっこねー車で登場する「もう、バカ!」なとこは評価してーです。FPCFF(04).jpg
FPCFF(05).jpg

んで、結果レースに負けた男は殺されることになるんですが、何故かその前に逆レイプです。FPCFF(07).jpg
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で、本家は羽折で男が殺されますが、本作はサマー・カミングスの巨乳に圧迫され殺されます。(しかし、驚愕のラストが!)
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本家に忠実なのはここまででして、こっからはラス・メイヤーの諸作品からの引用や、独自のパロディの世界に突入です。

 八つの頃からセンズリで、十二でスペルマ大将と呼ばれたよな僕が驚いたのは、ロン・ジェレミーが現役だったことです。
FPCFF(09).jpg
このしと、1980年代後半がピークで、一時期「風貌が汚らしいから絡みたくない」と米ポルノ女優から嫌われたこともある男優さんです。
特徴は、膣外射精しても、再びチンポをまんこに突っ込むことでした。
本編じゃ絡みはねーですが、引退してなかったことを知り、当時「たまげたなぁ」と思いました。(ボーナス・マテリアルで絡みが観られる。)

 結局、本家は全員死んじまって救いようがねーラストですが、本作は序盤で殺されたはずの男が生きとりまして、ラストにサマー・カミングス演じるプッシー・ラモーレ(本家のトゥーラ・サタナ演じるヴァーラにあたる。)を殺しにくるんですが、保安官が男を射殺するっつー。
んで、一行は町を後にするっつー。
あ、ティファニー・タワーズ演じるベティー・バブルスは中盤で殺されますが。

 個人的な感想ですが、まず良かった点。

◆ハードコア作品ながら、絡みのシーンが少なくストーリーを重視していること。
◆ラス・メイヤー作品でよく見られる、水と女性の裸体も組み込まれている。
◆冒頭で「ラス・メイヤーに捧げる」とクレジットしただけあり、同プロダクションが手がけた映画のパロディ物よりクォリティは高い。


悪かった点。


◆本記事の冒頭で触れた絶妙なアングルが無い。
◆BGMがダメ。ラス・メイヤー含め、この手のお色気映画は全体的にBGMがしっかりしているので。
◆ラスト・シーンが残念。パロディだから仕方ないのか?

こんなとこでしょーか。

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人によっては地雷な『フェアリーテール・シアター』

2010年12月13日 19:10

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、以前から「観たいけど、映画情報サイトよりレビューが付きやすいAmazonでレビュー無しって地雷かもなぁ」と思っとりました『フェアリーテール・シアター』。
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 えー、映画『シャイニング』に出演しとりましたシェリー・デュヴァルが製作総指揮にあたり、毎回世界の童話をコメディ・タッチに映像化して放送してた米TVの人気番組だそーです。1982~1987年まで続いたそーですから。Shelley Duvall
何で観たかったかっつーとですね、フランク・ザッパ、ミック・ジャガー、モンティ・パイソンのエリック・アイドル、キャロル・キング、映画『マッシュ』『ロング・グッドバイ』に出てたエリオット・グールドなんかが出てるからです。
他、ライザ・ミネリとか、TV番組にしては宣伝のコピーどーり「無駄に豪華」です。
ただ、毎回大物が出演してたわけでもねーわけで、日本で一挙上映、DVD化されたのは「日本でも有名でしょ」っつーしとが関わった回に焦点を当てとりまして、一話が約50分で二話ずつ収録したもんが六枚です。

 たまの豪華な出演者だけじゃなく、後々有名になる役者さんが出てたり、監督もたまにビッグ・ネームでして、フランシス・フォード・コッポラも監督をつとめた回があります。
ただ、日本初上陸にあたっての最大の目玉は、ブレイク寸前だったティム・バートンをシェリー・デュヴァルが抜擢。
しかも、童話の中じゃ誰でも知ってるベスト3に入ろうかっつー「アラジンと魔法のランプ」を任せたっつー。
なんでも、これが名前を売る絶好の機会になったそーでして、確かに経歴を見ると1985年の放映後からブレイクしてます。
おぢさんの僕ぁ、『ビートル・ジュース』や『シザーハンズ』はレンタルやTVで何回も観た世代です。ええ。

 酔った勢いでディスクユニオンにて中古BOXセットを買っちゃいそーになりましたが、たまに寄るレンタル屋に六枚揃ってたんでレンタルで済ませました。
あ、別に休日にディスクユニオンでバイトしてるとか、友達がスタッフとかじゃねーですけど、ここのDVD・CDのBOXセットの中古って、とても状態がええです。
以前、ラス・メイヤーのを買ったとき、他店はもっと高い値段で「特典ブックレット欠品」とかなのに、しっかり帯も付いて新古品状態でしたから。
ビンボー人の強い味方です。

 肝心の内容ですが、何枚かレンタル中で全て観てねーんですが、ミュージシャンの演技上手すぎです。たまげたなぁ。
昔、トム・ウェイツが出てるっつーんで『ダウン・バイ・ロウ』観たことありますけど、なんで海外のミュージシャンって演技上手いんすかね?
いや、下手なしともいるでしょーが、特にフランク・ザッパとミック・ジャガー上手すぎ。

 基本コメディな内容なんで、『ミック・ジャガーのナイチンゲール』を再生する前、僕ぁてっきり「ミック・ジャガーが女装して戦場の負傷兵を無茶苦茶に手当するのか?てか、ナイチンゲールは童話なのか?」と思いました。FTMick01.jpg
ほいだら、あとから調べたらアンデルセンの童話にあるんですね。
サヨナキドリのことを海外じゃナイチンゲールと呼ぶそーです。
で、内容は変に笑いをとろうとせず、泣ける系でした。
しかし、プッチーニのオペラ『トゥーランドット』もそーですけど、西洋人が中世中国の髪型や衣装にすると、すげースタイリッシュなんすよね。
この回でミック・ジャガーは皇帝役でして、威厳のある仕草や語り口、病床で悪夢と葛藤する際の演技はお見事だと思いました。
てか、海外のミュージシャンって結構、歴史を勉強したりする読書家が多いんすよね。
フランク・ザッパの自伝によると、ローリング・ストーンズがスキャンダラスな存在だった時代においても「ミック・ジャガーとは部屋でヨーロッパの歴史について語り合った」とか記されてます。東洋の歴史も勉強してても不思議じゃねーわな、と。
FTMick02.jpg

 ミック・ジャガーの演技が良すぎて、個人的に一番楽しみにしてたフランク・ザッパが脇役ってこともあり次点になりましたが、それでも「これ、ヤバイだろ!」な怪演でした。FTZAPPA01.jpg
『フランク・ザッパとクリストファー・リーのこわがることをおぼえるために旅に出た男』は、グリム童話の「恐怖心が無い若者がそれを学ぶために旅にでる」っつー内容をベースにしてますんでホラータッチのコメディです。
なので、ドラキュラ役で有名なクリストファー・リーにオファーしたんでしょーが、フランク・ザッパの聾唖で知的障害もあるせむし男の演技は、日本なら放送禁止です。
クリストファー・リーの存在を食っちゃってます。
内容自体は「すべってんなぁ」っつーコメディですが、ザッパが出てきて汚らしくパン食ったり、近所の頭おかしい奴(俺か?)みてーな動きを主人公の背後でしてたりすんので大分救われとると思いました。
因みに、奇しくも放送された1984年頃から、ザッパは表現の自由について更に世間様(というか政治家ら。)と戦い始めました。
FTZAPPA02.jpg
 TV番組ですから、チープさが漂うセットや演出はしゃーねーです。
とはいえね、配給元の説明と中身のギャップがありすぎて「ざけんな!」と。
えー、まずトレイラーの紹介が言葉足らずで、恐らく「英『空飛ぶモンティ・パイソン』に次ぐ米コメディ番組」ということを言いたいと解釈しましたが、『空飛ぶモンティ・パイソン』に影響受けた米コメディ番組ってサタデー・ナイト・ライブじゃねーの?と。
更に、コッポラが監督をつとめた回が「『地獄の黙示録』で脂が乗りきった時期である番組初期に放送」と紹介されてたサイトがあったと記憶してんですが、実際は1987年に放送されたもんです。
でね、BOXセットまで出したのに、特典ディスクやらも無く、値段も個別に買うのと大差ねーこと。
んで、VHSからDVDにしました的な手抜きはやめてけれ、と。
見所は結構あると思うんですが、リマスター無し、特典無しで去年リリースはちょっとしどいな、と価格からして。(一枚約四千円。)
ただ、廃盤になると二度と再発されない類と思われますんで、お好きなしとはどーぞ。
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もう少し映画『まぼろしの世界』について。

2010年11月07日 01:07

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、昨夜の酒(ちゃんぽんの最後にウィスキーはやはりよくない。)と、出勤前っつーこともあり散漫な記事になっちゃいましたが、もう少し映画『まぼろしの世界』について。

 ブートレッグ収集まではしねー、コア一歩手前のドアーズ・ファンですが、故にドアーズ、特にジム・モリソンを「稀代のカリスマの一人だがペテン師でもある」と陽の面だけに着目してねーです。
んで、映画『まぼろしの世界』では、ペテン師っつー表現はしてねーですが、ジム・モリソンが非常に計算高くファンと気さくに接していたことが、映像に合わせてジョニー・デップはナレーションしとります。
特に興味深かったのが、1968年にザ・フーを前座に迎えたコンサートで、開場したアリーナにて客からザ・フーのパンフレットを「いくら?買うよ。1ドル?」と接してるとこです。
この頃のドアーズは一番脂が乗ってた頃で、人気上昇中でしたが、アルバム毎に良くなり、ライブ・バンドとしての方が人気があったザ・フーが前座っつーことで、「前座に食われたらおしまい」っつー考えがあってのことか?と語られておりました。
で、この歴史的コンサート(ザ・フーは翌年に映画にもなった『トミー』を発表して更に名声を得た。)が、なんでDVD化されてねーのかと思ったら、観客がステージに上がろうとして警備員に引き戻されるよーな興奮の最中、どっかのアホが椅子をステージに向かって投げ、それがファンの頭部を直撃して途中で終了せざるを得なくなったからだそーです。
なんでも、ある女性ファンに向けてジム・モリソンが股間をさする仕草を見せつけたことに腹をたてた恋人が、ジム・モリソンに投げつけたつもりが客に当たったと。
んで、よく使われてる流血したファンを、バックステージで血を拭いて気遣う映像はそのときのもんだと知りました。
あと、スタジオかバック・ステージで録音されたと思われる会話の中の鋭い一言。

「ジョークをやるのは真剣だ。真剣にならないと面白いジョークはできない」
-ジム・モリソン


 ただ、この気さくでセックス・シンボルだったのは2ndアルバム『まぼろしの世界』発表までで、そのあとはスタジオで泥酔、もしくは泥酔した状態で現れるよーになったそーで、3rdアルバム『太陽をまちながら』は、当初収録予定であったThe Celebration Of Lizardが完成せず(今世紀に入って発表されたベスト盤にてスタジオ版が日の目を見た。)Five To Oneはジム・モリソンが泥酔したテイクを採用しとります。
後半に突然「もう一度やりなおそう」と呟くとこは、コンソール・ルームにいた恋人パメラ・カーソンに向けて語りかけたそーで、かすかに聞こえる嬌声はパメラ・カーソンのものみてーです。
映画ん中で、ライブ映像作品として残されている『ライブ・アット・ハリウッドボウル』のジム・モリソンが精彩を欠いてる点に触れてますが、クスリや酒の影響でもなく、単なる「ロック・スターに疲れた」っつー嫌気からだと思います。
特にThe Endの「父さん、アンタを殺したい。母さん...」の箇所で「これを聞かないと、みんな満足しない。やれやれだ」な表情でため息をついてるからです。

 泥酔して暴走するよーになってから、歌わないで客を挑発するのに嫌気がさしたギターのロビー・クリーガーと、ドラムのジョン・デンズモアはステージを去ることがちょくちょくありましたが、オルガン兼ベース・ピアノのレイ・マンザレクだけは演奏し続けました。
で、作中触れられてませんが、ちょっといい話があります。

 あるライブでジム・モリソンが泥酔して続行不能になった際、レイ・マンザレクがギターを持ち、座り込んだジム・モリソンに、ブルースを弾いて「歌ってみろ」と促したことがあるそーです。
この時、即興で演奏した曲が後にMaggie M'Gillになり、小細工なしの良質なブルース・ロック・アルバム『モリソン・ホテル』へのきっかけになりました。
ジム・モリソンは精神的にも幾分安定を取り戻したよーで、内ジャケットで写っている飲み屋での撮影後、店内の爺さんらと他愛もない話をしたり昔話を聞いて、和やかに接していたそーです。

 他、作中で触れられてねーとこだと、ジム・モリソンがシャーマニズム以外に民間伝承にも造詣が深かったことですかね。
ジム・モリソン在籍中、最後のアルバムになった『LAウーマン』の一曲目がThe Changelingなんですが、こり、「いなくなることの暗示」と受け取るファンも多いんですが、『太陽をまちながら』あたりから暖めてた曲みてーです。
んで、The Changelingは、ヨーロッパの民間伝承でして、妖精が人間の子供と取り替え子しちゃうっつー迷信なんですが、地域によって内容はバラバラです。
そこに「俺は山の手にも下町、どこにでも住んでいる」「俺は金持ちで貧乏」「今夜、深夜の列車で町を出る」っつー歌詞を絡めてまして、非常に興味深い曲です。
最後にPVのリンクはりましょーかね。

 ドアーズのドキュメンタリーっつっても、ドアーズ影のメンバーといっても差し支えない、プロデューサーのポール・ロスチャイルドの尽力に殆ど触れられてねーのがちょっと残念ですね。
ほいだら、映画『まぼろしの世界』の日本上映を記念して、アメリカで製作されたデビュー作『ハートに火をつけて』のメイキング・ドキュメンタリーが日本でも今月中旬から上映するそーです。

<The Doors - The Changeling>


映画『まぼろしの世界』を観てきました。

2010年11月06日 13:18

【ネタバレありだが、作品の性質上ネタバレとは言えない。】

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、ドアーズのドキュメンタリー映画『まぼろしの世界』を観てきました。
doorsWYS.jpg

今まで観たドアーズものじゃ一番よくできてんじゃねーでしょーか?
後半端折り過ぎですが。
最初の「この作品に登場する映像は全て当時のものだけです」って表示が「再現ドラマとか挿入した安っぽいもんじゃないよ」と受け取れます。

 作品構成は、ジム・モリソンが撮った「い、一体何がしたいんだ?」とファンすら困惑した映画『HWY』(日本公開時の邦題はまんま『ハイウェイ』。)を軸に、ジョニー・デップが淡々とナレーションしてくっつー。
秀逸なのは、冒頭のヒッチハイクに成功した車をいつの間にかジム・モリソンが運転しとるシーンでラジオをつけると、ジム・モリソンの訃報を知らせる当時のニュースの音声を被せてるとこでしょーか。
んで、自分が死んだっつーニュースを聴きながら、ドアーズの出発点LAを目指して走るっつー。
JimMorrisonHWY.jpg

 内容としてはライトなファンでも楽しめるもんで、監督が拘ったのは、「代表曲「ハートに火をつけて」を車のCMに使用することに、ジム・モリソンの許可無く他のメンバーが了承した」っつーエピソード、「ジム・モリソンがチンポを出した、もしくは自慰行為を行った」っつーエピソードでしょーか。
前者は映画『ドアーズ』に登場するシーン(確か、タイヤのCMにジム・モリソンに打診せず他のメンバーが使用権を売ったことにTVを観たモリソン激昂。)が事実ではなく、実際はオフ中で音信不通だったジム・モリソンとやっと連絡がとれたと思ったら大反対で、結局CMに使用されなかった、と。
後者は、「なんで、こんなバカなことで逮捕?」っつー顛末を、現存しとる断片的な映像と写真、泥酔したジム・モリソンが観客を挑発する音声を組み合わせて再現してます。
(ペンキをステージに投げ込まれ、客に対し)「お前らは奴隷だ!誰かの命令で生きてるような存在だ!自分から何もしようとしない!よし、今日は大サービスだ!」みてーに挑発し、その直後、チンポを出そうとし、レイ・マンザレクが「誰か止めろ!」とうったえるも、出したのか出さなかったのか、モリソンが客席にダイブしたため真偽不明と。
他、客から子山羊を渡されると「これじゃ(小さくて)ヤレねえな」等、悪態をついたため、断片的に四曲を演奏して中止せざるを得なかったと詳しく触れてます。
更に、飲酒による以前からの奇行、猥褻な言動に、どーしても逮捕したかった警察は、証拠になる写真が無いため、モリソンがロビー・クリーガーのギターに顔を近づけている写真を「フェラチオを想起させるパフォーマンスだ」とこじつけ、それが有罪判決のもとになったっつー。

「これは、ロビーのギター・テクニックを確認する行為だ」とジム・モリソン。

「彼の腕前は既知であるため、今更確認する必要はないでしょう」と検事。

「いや、毎回、上達しているな」とジム・モリソン。


アホなやりとりですね。

 一応、映画の触れ込みは「アンディ・ウォーホルやジャニス・ジョプリンとの関係にも触れた云々」ですが、それらは一瞬でした。
髪型や服装、ステージング全てを自己プロデュースしたジム・モリソンにアンディ・ウォーホルも魅了されたと説明されてましたが、両者が対面する映像は一瞬で、不敵に笑っているジム・モリソンが印象的です。
ジャニス・ジョプリンとはジム・モリソンの頭をウィスキーの瓶で殴った顛末だけです。
ジミ・ヘンドリクス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリンそろい踏みでステージに上がってる映像は使われませんでした。
あと、ニコやパトリシア・ケネリーとの関係については割愛されてました。
ニコとドアーズの関係には触れられず、パトリシア・ケネリーは「魔術式の結婚式で結婚した女性」としか触れられてねーです。

 アルバム『LAウーマン』製作開始から、ジム・モリソン他界までは端折ってまして、最後にメンバー全員でオフ時にクルージングに行った映像のバックに「水晶の舟」を使ってましたが、「ああ、最後に惜しい」と思いました。
この曲、ケルト神話と、デビュー前に出演していたウィスキー・ア・ゴーゴーのステージから観た光景を絡ませた歌詞の曲なんで。
あと、字幕だと結構ジョニー・デップのナレーションが割愛、ファン以外でも理解出来るように表現を変えてる箇所があり、英語が堪能なしとは彼の声に意識して観るとええんじゃねーでしょーか。
ついでに、インタビュー・シーンで質問がカットされてますが、他の映像作品で観られます。
例えば、レイ・マンザレクがため息をついて「まず、俺たちの音楽を聞いて感じてくれ」と答える質問は「有名になって金持ちにになりたい?」みてーなアホな質問です。
しかし、日本じゃ人気が低いながら、ジム・モリソン在籍時(脱退、他界後、残ったメンバーで二枚発表している。)だけで、レコードの総売上が八千万枚っつーからたまげたもんです。まだ音楽市場が開拓され始めた頃に、ジム・モリソン在籍期間は四年に満たないですから。
てかね、やっぱジム・モリソンの声は独特です。鼻にかかって明瞭じゃない印象を受けるんですが、言葉と言葉の間を独自のテンポで話すことによって、脳は鮮明に感じるからです。まあ、詩人ですからねぇ。

 川崎か新宿で観るか迷ったんですが、ギ装置Rの勧めで新宿武蔵野館で観ました。
平日の昼でしたが、客は二十人以上いたんじゃねーですかね。
ただ、七十代と思われる男女のグループがおり、「な、何故観ようと?」と聞きたくなりました。因みに爺さん一人はいびきかいて寝てましたが。

 小さいながら、ジム・モリソンのFBIによる資料や、幼少期に書いたという鉛筆画が数点展示されとりました。
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子供の描くもんですから、アメコミっぺーんですが、心の裡に闇を抱えてるよーな、シュールかつグロテスクな印象をうけました。
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jim03.jpg

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(こちらはFBIが採ったジム・モリソンの指紋。)
画家が描く絵は「俺、ゲージツわっかんねーよ」ですが、こーゆーのはすんなり入ってくるんでわかりやすいです。
恐らく、父親が海軍の将校であったため、ジム・モリソン少年を空母に連れて行き、父親の指示一つで全てが従うっつーのを目の当たりにして「ワォ!ダディ、クール!」じゃなく「こいつは自分の権力に自惚れ、息子すら抑圧する奴だ」と確執が決定的になった出来事や、幼児期にネイティブ・アメリカンの轢死体をハイウェイで目にしたこともあるんでしょーが。(ジム・モリソンは「ハイウェイ」という単語を頻繁に使う傾向がある。)

 夕方からはネーチャン二人と神田に飲みに行きまして、一軒目は酔ったうちに入らなかったんですが、ネーチャンのガキん頃からの友達がやってるっつー立ち飲み屋でウィスキー飲んで記憶寸断。しかも、色々サービスしてもらった上に、ネーチャンに奢ってもらっちまって恐縮至極でした。(顔出しNGなので写真なし。)

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名作ポルノ劇場『スター・ヴァージン』

2010年11月02日 22:26

【強制的にエロ・ブログ認定されたのでたまには見合ったネタをば。】

 はい、こんつはこんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
今夜おおくりする作品はですね、『スター・ウォーズ』。
んまぁ、この作品を観た私達は驚きましたねぇー。
低予算でこんなにクォリティの高いものができるのか?映画はまだまだ可能性を秘めているぞ、そして、それまで、子供向けとされてきた、ファンタジーや、SF作品を、ですね、大人も十分楽しめる要素がてんこ盛り。
音楽も素晴らしいですねぇ~。
このね、ジョン・ウィリアムスは、全曲を一ヶ月、たった一ヶ月で作曲したんですねぇ~、あの、一度聴いたら忘れられないテーマ曲を始め、その裏には独自の手法があったんですねぇ~。

<!放送事故です。作品を間違えました。ついでに淀川長治の真似はやめろ!>


 あらためて、こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、ポルノ。ひいてはエロ・メディア全般。
これらの存在を「単なる性の捌け口」と笑っちゃいけねーです。
いや、僕、笑っちゃいますけど。
まず、エロ・カルチャーが偉大だと思うのが、笑いや蔑みの対象であるのに多大な経済効果をもたらす要素が潜んどるからです。
過去に触れましたが、メディアの再生機器やインターネットのブロードバンド普及等に大きく貢献しました。
他にも「貴方がそれを買うのはエロティシズムからきてますよ」っつーもんがありますが、それらは別の機会に。

 今回はポルノ映画に焦点をあててーと思うんですが、日本と海外とじゃ毛色が異なります。
日本って、「いかにヌケるか?」に力を注いだもんが多いです。
海外もそーですが、大体、最後は大味に女優さんが「オーイェ!オーイェ!」っつーまぐわいで終わります。女優さんの魅力を活かせてねーのが多いです。
が、稀に「これは凄い」と思わせる監督がおりまして、アンドリュー・ブレイク、マイケル・ニン、マーク・ドーセルなんかは「B級映画より映像やカット、音楽が凄いんすけど」と思うことがあります。
あと、確かトレイシー・ローズを撮ってたしとだと思いますが、ポルノ業界からマドンナとかのPVを手がけるよーになるしともいます。(ポルノ女優時代のトレイシー・ローズ出演作は、後になって彼女が未成年だったことが判明し、現在、作品入手はおろか動画等も観ることはできない。)

 ポルノが蔑まされるのは世界共通なよーで、それ故か自由度が高く、パロディや、ヌクのに特化した日本だと棒読み演技で笑っちゃうよーなしっかりしたストーリーと演技のもんを製作しちゃったりします。
今でも『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかパロディにしたもんがありますが、金のあるレーベルしか撮ってねーです。
あ、『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』をパロったというか、ラス・メイヤー・トリビュート的な、豊胸ながら女狐顔のサマー・カミングスが主演の『Faster Pussycat Fuck!Fuck!』は、中々よかったですね。
Faster Pussycat Fuck! Fuck!
で、まだポルノがどれもハードコア化する前は、ポルノと呼ぶには勿体ない、カルト・ムービー的なもんが多いです。

 なんでも、ジョージ・ルーカスは、『スター・ウォーズ』(エピソードⅣ)を撮る前、後に映画化されてクィーンがサントラを手がけた、SFコミック『フラッシュ・ゴードン』を映画化しよーとしてたらしーです。
が、実はその数年前にパロディながら『フレッシュ・ゴードン』としてポルノ映画化されとります。
んで、監督が二名クレジットされとるんですが、そのうち一人、ハワード・ジームなる人物が1979年に『Star Virgin』っつー作品を撮っとります。
一見「スター・ウォーズのパロディ?」なタイトルですが、中身が全然異なります。
このロボットを除いては。
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 あらすじはこーです。

「人類は滅亡したかに思えたが、一人だけ生き残ったものがいた。それはスペース・ヴァージン。しかし、このままでは本当に滅亡してしまいかねないため、生き残ったスペース・ヴァージンに性的興奮を学習させ、子孫を絶やさないようにしなければならない」
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もう、バカ。純真無垢な娘っこに性の愉しみを学習させても、男がいなきゃ意味ねーじゃんっつー。(しかし、驚愕のラストが!)
が、どっかで見たことがあるよーで全く違うロボットは、彼女にポルノ映画を見せます。
全部で四本あります。

 まず一本目。
ありがちな青春ものみてーに始まるんですが、アダムとイヴをモチーフにしてます。
健全なカップルはスネークの言葉に騙され、リンゴの木に何故か一個だけぶら下がってるパイナップルを二人食います。しかもご丁寧に皮剥いてあるっつー。
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んで、パイナップル・クレイジーになってカー・セックスを始めるんですが、神ならぬ警報機が警告し、ええとこで恥じらいを覚えてチンポとまんこを隠すっつー。
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 二本目。
これ、かなりクォリティ高いです。
トーキー映画の手法なんですが、あるカップルの車がエンスト。
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が、モーテル発見。
そこへ天狗の面みてーなのをつけた男が現れ「ベル・ボーイです」と。
しかし、モーテルに入ると実はドラキュラ伯爵の館だったという。
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ドラキュラは二人にもてなしの酒を振る舞いますが、男のグラスに毒薬を入れ、アホみてーにまんまと飲んで死亡。
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残された女はドラキュラと不気味な執事に犯されるっつー。
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最初は拒んでいた女は徐々にええ感じになってきまして、そこで死んだはずの男が目を覚まし、銀の剣をドラキュラに向けドラキュラ射精して絶命。
これに「よし、もう大丈夫だ」と男は胸を張りますが、女は「いいとこで邪魔すんじゃないわよ!」と激昂。
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くだらねーんですが、この部分だけは映像作品としておもれーです。

 三本目。
アメフトの試合中、気絶した男を女二人がかりで犯すっつー。
これはつまんねーや。割愛。
とはいえ、性に目覚めていくスペース・ヴァージン。
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 四本目。
ロードハウスっぺー飲み屋で熟年のストリッパー登場。
いくらヴィンテージ・ポルノでも、もすこし美人だせよと思っちゃいます。
が、このしと、ストリッパーっつーより大道芸人です。
本物のニシキヘビを巻き付けて体をくねらせるあたり、見せ物小屋的です。
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ついでに、まんこに空気入れて噴射します。


この膣圧を操る芸は、序盤じゃ「膣で放屁」にしか思えねーですが、火を付けたチップをそれで消しちゃうくれーのまんこ達人です。
その後はもう一人女性が現れて、店内の客全員を相手にして乱交パーチーです。これもどーでもええや。

 これら「どこまでアホやねん!」っつー映画を見せられたスペース・ヴァージンは遂にオルガスムを迎えます。
単なるオルガスムじゃねーです。まんこからザーメンが流れ出るのです。
つまり、チンポはねーけど両性具有状態になり、一人で子孫繁栄ができるよーになると。
で、エンド・ロールです。
このシーンは諸事情により(諸事情以前だろ。)割愛。
しかしながら、オカズにはならねーでしょーが、よくポルノにここまで情熱注いだねっつー。
いや、だからこそエロは偉大なのです。
以上、ハンクおぢさんのヴィンテージ・ポルノ・コレクションから一本でした。
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