2010年11月06日 13:18
【ネタバレありだが、作品の性質上ネタバレとは言えない。】
こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、ドアーズのドキュメンタリー映画『まぼろしの世界』を観てきました。
今まで観たドアーズものじゃ一番よくできてんじゃねーでしょーか?
後半端折り過ぎですが。
最初の「この作品に登場する映像は全て当時のものだけです」って表示が「再現ドラマとか挿入した安っぽいもんじゃないよ」と受け取れます。
作品構成は、ジム・モリソンが撮った「い、一体何がしたいんだ?」とファンすら困惑した映画『HWY』(日本公開時の邦題はまんま『ハイウェイ』。)を軸に、ジョニー・デップが淡々とナレーションしてくっつー。
秀逸なのは、冒頭のヒッチハイクに成功した車をいつの間にかジム・モリソンが運転しとるシーンでラジオをつけると、ジム・モリソンの訃報を知らせる当時のニュースの音声を被せてるとこでしょーか。
んで、自分が死んだっつーニュースを聴きながら、ドアーズの出発点LAを目指して走るっつー。
内容としてはライトなファンでも楽しめるもんで、監督が拘ったのは、「代表曲「ハートに火をつけて」を車のCMに使用することに、ジム・モリソンの許可無く他のメンバーが了承した」っつーエピソード、「ジム・モリソンがチンポを出した、もしくは自慰行為を行った」っつーエピソードでしょーか。
前者は映画『ドアーズ』に登場するシーン(確か、タイヤのCMにジム・モリソンに打診せず他のメンバーが使用権を売ったことにTVを観たモリソン激昂。)が事実ではなく、実際はオフ中で音信不通だったジム・モリソンとやっと連絡がとれたと思ったら大反対で、結局CMに使用されなかった、と。
後者は、「なんで、こんなバカなことで逮捕?」っつー顛末を、現存しとる断片的な映像と写真、泥酔したジム・モリソンが観客を挑発する音声を組み合わせて再現してます。
(ペンキをステージに投げ込まれ、客に対し)「お前らは奴隷だ!誰かの命令で生きてるような存在だ!自分から何もしようとしない!よし、今日は大サービスだ!」みてーに挑発し、その直後、チンポを出そうとし、レイ・マンザレクが「誰か止めろ!」とうったえるも、出したのか出さなかったのか、モリソンが客席にダイブしたため真偽不明と。
他、客から子山羊を渡されると「これじゃ(小さくて)ヤレねえな」等、悪態をついたため、断片的に四曲を演奏して中止せざるを得なかったと詳しく触れてます。
更に、飲酒による以前からの奇行、猥褻な言動に、どーしても逮捕したかった警察は、証拠になる写真が無いため、モリソンがロビー・クリーガーのギターに顔を近づけている写真を「フェラチオを想起させるパフォーマンスだ」とこじつけ、それが有罪判決のもとになったっつー。
「これは、ロビーのギター・テクニックを確認する行為だ」とジム・モリソン。
「彼の腕前は既知であるため、今更確認する必要はないでしょう」と検事。
「いや、毎回、上達しているな」とジム・モリソン。
アホなやりとりですね。
一応、映画の触れ込みは「アンディ・ウォーホルやジャニス・ジョプリンとの関係にも触れた云々」ですが、それらは一瞬でした。
髪型や服装、ステージング全てを自己プロデュースしたジム・モリソンにアンディ・ウォーホルも魅了されたと説明されてましたが、両者が対面する映像は一瞬で、不敵に笑っているジム・モリソンが印象的です。
ジャニス・ジョプリンとはジム・モリソンの頭をウィスキーの瓶で殴った顛末だけです。
ジミ・ヘンドリクス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリンそろい踏みでステージに上がってる映像は使われませんでした。
あと、ニコやパトリシア・ケネリーとの関係については割愛されてました。
ニコとドアーズの関係には触れられず、パトリシア・ケネリーは「魔術式の結婚式で結婚した女性」としか触れられてねーです。
アルバム『LAウーマン』製作開始から、ジム・モリソン他界までは端折ってまして、最後にメンバー全員でオフ時にクルージングに行った映像のバックに「水晶の舟」を使ってましたが、「ああ、最後に惜しい」と思いました。
この曲、ケルト神話と、デビュー前に出演していたウィスキー・ア・ゴーゴーのステージから観た光景を絡ませた歌詞の曲なんで。
あと、字幕だと結構ジョニー・デップのナレーションが割愛、ファン以外でも理解出来るように表現を変えてる箇所があり、英語が堪能なしとは彼の声に意識して観るとええんじゃねーでしょーか。
ついでに、インタビュー・シーンで質問がカットされてますが、他の映像作品で観られます。
例えば、レイ・マンザレクがため息をついて「まず、俺たちの音楽を聞いて感じてくれ」と答える質問は「有名になって金持ちにになりたい?」みてーなアホな質問です。
しかし、日本じゃ人気が低いながら、ジム・モリソン在籍時(脱退、他界後、残ったメンバーで二枚発表している。)だけで、レコードの総売上が八千万枚っつーからたまげたもんです。まだ音楽市場が開拓され始めた頃に、ジム・モリソン在籍期間は四年に満たないですから。
てかね、やっぱジム・モリソンの声は独特です。鼻にかかって明瞭じゃない印象を受けるんですが、言葉と言葉の間を独自のテンポで話すことによって、脳は鮮明に感じるからです。まあ、詩人ですからねぇ。
川崎か新宿で観るか迷ったんですが、ギ装置Rの勧めで新宿武蔵野館で観ました。
平日の昼でしたが、客は二十人以上いたんじゃねーですかね。
ただ、七十代と思われる男女のグループがおり、「な、何故観ようと?」と聞きたくなりました。因みに爺さん一人はいびきかいて寝てましたが。
小さいながら、ジム・モリソンのFBIによる資料や、幼少期に書いたという鉛筆画が数点展示されとりました。
子供の描くもんですから、アメコミっぺーんですが、心の裡に闇を抱えてるよーな、シュールかつグロテスクな印象をうけました。
(こちらはFBIが採ったジム・モリソンの指紋。)
画家が描く絵は「俺、ゲージツわっかんねーよ」ですが、こーゆーのはすんなり入ってくるんでわかりやすいです。
恐らく、父親が海軍の将校であったため、ジム・モリソン少年を空母に連れて行き、父親の指示一つで全てが従うっつーのを目の当たりにして「ワォ!ダディ、クール!」じゃなく「こいつは自分の権力に自惚れ、息子すら抑圧する奴だ」と確執が決定的になった出来事や、幼児期にネイティブ・アメリカンの轢死体をハイウェイで目にしたこともあるんでしょーが。(ジム・モリソンは「ハイウェイ」という単語を頻繁に使う傾向がある。)
夕方からはネーチャン二人と神田に飲みに行きまして、一軒目は酔ったうちに入らなかったんですが、ネーチャンのガキん頃からの友達がやってるっつー立ち飲み屋でウィスキー飲んで記憶寸断。しかも、色々サービスしてもらった上に、ネーチャンに奢ってもらっちまって恐縮至極でした。(顔出しNGなので写真なし。)
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こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、ドアーズのドキュメンタリー映画『まぼろしの世界』を観てきました。
今まで観たドアーズものじゃ一番よくできてんじゃねーでしょーか?
後半端折り過ぎですが。
最初の「この作品に登場する映像は全て当時のものだけです」って表示が「再現ドラマとか挿入した安っぽいもんじゃないよ」と受け取れます。
作品構成は、ジム・モリソンが撮った「い、一体何がしたいんだ?」とファンすら困惑した映画『HWY』(日本公開時の邦題はまんま『ハイウェイ』。)を軸に、ジョニー・デップが淡々とナレーションしてくっつー。
秀逸なのは、冒頭のヒッチハイクに成功した車をいつの間にかジム・モリソンが運転しとるシーンでラジオをつけると、ジム・モリソンの訃報を知らせる当時のニュースの音声を被せてるとこでしょーか。
んで、自分が死んだっつーニュースを聴きながら、ドアーズの出発点LAを目指して走るっつー。
内容としてはライトなファンでも楽しめるもんで、監督が拘ったのは、「代表曲「ハートに火をつけて」を車のCMに使用することに、ジム・モリソンの許可無く他のメンバーが了承した」っつーエピソード、「ジム・モリソンがチンポを出した、もしくは自慰行為を行った」っつーエピソードでしょーか。
前者は映画『ドアーズ』に登場するシーン(確か、タイヤのCMにジム・モリソンに打診せず他のメンバーが使用権を売ったことにTVを観たモリソン激昂。)が事実ではなく、実際はオフ中で音信不通だったジム・モリソンとやっと連絡がとれたと思ったら大反対で、結局CMに使用されなかった、と。
後者は、「なんで、こんなバカなことで逮捕?」っつー顛末を、現存しとる断片的な映像と写真、泥酔したジム・モリソンが観客を挑発する音声を組み合わせて再現してます。
(ペンキをステージに投げ込まれ、客に対し)「お前らは奴隷だ!誰かの命令で生きてるような存在だ!自分から何もしようとしない!よし、今日は大サービスだ!」みてーに挑発し、その直後、チンポを出そうとし、レイ・マンザレクが「誰か止めろ!」とうったえるも、出したのか出さなかったのか、モリソンが客席にダイブしたため真偽不明と。
他、客から子山羊を渡されると「これじゃ(小さくて)ヤレねえな」等、悪態をついたため、断片的に四曲を演奏して中止せざるを得なかったと詳しく触れてます。
更に、飲酒による以前からの奇行、猥褻な言動に、どーしても逮捕したかった警察は、証拠になる写真が無いため、モリソンがロビー・クリーガーのギターに顔を近づけている写真を「フェラチオを想起させるパフォーマンスだ」とこじつけ、それが有罪判決のもとになったっつー。
「これは、ロビーのギター・テクニックを確認する行為だ」とジム・モリソン。
「彼の腕前は既知であるため、今更確認する必要はないでしょう」と検事。
「いや、毎回、上達しているな」とジム・モリソン。
アホなやりとりですね。
一応、映画の触れ込みは「アンディ・ウォーホルやジャニス・ジョプリンとの関係にも触れた云々」ですが、それらは一瞬でした。
髪型や服装、ステージング全てを自己プロデュースしたジム・モリソンにアンディ・ウォーホルも魅了されたと説明されてましたが、両者が対面する映像は一瞬で、不敵に笑っているジム・モリソンが印象的です。
ジャニス・ジョプリンとはジム・モリソンの頭をウィスキーの瓶で殴った顛末だけです。
ジミ・ヘンドリクス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリンそろい踏みでステージに上がってる映像は使われませんでした。
あと、ニコやパトリシア・ケネリーとの関係については割愛されてました。
ニコとドアーズの関係には触れられず、パトリシア・ケネリーは「魔術式の結婚式で結婚した女性」としか触れられてねーです。
アルバム『LAウーマン』製作開始から、ジム・モリソン他界までは端折ってまして、最後にメンバー全員でオフ時にクルージングに行った映像のバックに「水晶の舟」を使ってましたが、「ああ、最後に惜しい」と思いました。
この曲、ケルト神話と、デビュー前に出演していたウィスキー・ア・ゴーゴーのステージから観た光景を絡ませた歌詞の曲なんで。
あと、字幕だと結構ジョニー・デップのナレーションが割愛、ファン以外でも理解出来るように表現を変えてる箇所があり、英語が堪能なしとは彼の声に意識して観るとええんじゃねーでしょーか。
ついでに、インタビュー・シーンで質問がカットされてますが、他の映像作品で観られます。
例えば、レイ・マンザレクがため息をついて「まず、俺たちの音楽を聞いて感じてくれ」と答える質問は「有名になって金持ちにになりたい?」みてーなアホな質問です。
しかし、日本じゃ人気が低いながら、ジム・モリソン在籍時(脱退、他界後、残ったメンバーで二枚発表している。)だけで、レコードの総売上が八千万枚っつーからたまげたもんです。まだ音楽市場が開拓され始めた頃に、ジム・モリソン在籍期間は四年に満たないですから。
てかね、やっぱジム・モリソンの声は独特です。鼻にかかって明瞭じゃない印象を受けるんですが、言葉と言葉の間を独自のテンポで話すことによって、脳は鮮明に感じるからです。まあ、詩人ですからねぇ。
川崎か新宿で観るか迷ったんですが、ギ装置Rの勧めで新宿武蔵野館で観ました。
平日の昼でしたが、客は二十人以上いたんじゃねーですかね。
ただ、七十代と思われる男女のグループがおり、「な、何故観ようと?」と聞きたくなりました。因みに爺さん一人はいびきかいて寝てましたが。
小さいながら、ジム・モリソンのFBIによる資料や、幼少期に書いたという鉛筆画が数点展示されとりました。
子供の描くもんですから、アメコミっぺーんですが、心の裡に闇を抱えてるよーな、シュールかつグロテスクな印象をうけました。
(こちらはFBIが採ったジム・モリソンの指紋。)
画家が描く絵は「俺、ゲージツわっかんねーよ」ですが、こーゆーのはすんなり入ってくるんでわかりやすいです。
恐らく、父親が海軍の将校であったため、ジム・モリソン少年を空母に連れて行き、父親の指示一つで全てが従うっつーのを目の当たりにして「ワォ!ダディ、クール!」じゃなく「こいつは自分の権力に自惚れ、息子すら抑圧する奴だ」と確執が決定的になった出来事や、幼児期にネイティブ・アメリカンの轢死体をハイウェイで目にしたこともあるんでしょーが。(ジム・モリソンは「ハイウェイ」という単語を頻繁に使う傾向がある。)
夕方からはネーチャン二人と神田に飲みに行きまして、一軒目は酔ったうちに入らなかったんですが、ネーチャンのガキん頃からの友達がやってるっつー立ち飲み屋でウィスキー飲んで記憶寸断。しかも、色々サービスしてもらった上に、ネーチャンに奢ってもらっちまって恐縮至極でした。(顔出しNGなので写真なし。)
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