2010年10月24日 21:09
こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、先日、ギ装置Rがブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』を映画館で観て(女一人でっつーとこがシュールだ。)「トラックスーツ着てるやつが観たかった。あれは『死亡遊戯』なのね」みてーなこと言っておりました。
ブルース・リー=黄色いジャージっつーイメージが強くなったのは、映画『キル・ビルVol.1』にて、ユマ・サーマンが同じ色と柄のを着てたからだと思います。
だって、それまでブルース・リーっつーと、武術着に上半身裸っつーイメージでしたから。
ブルース・リー。
このしとのファン層って現在四十~五十代だと思います。
僕なんかだと、同じカンフー映画で有名になった俳優さんはジャッキー・チェンやユン・ピョウ、ジェット・リーあたりでしょーか。(少数派だろうが、サモ・ハン・キンポーも好きだった。)
ガキん頃、TVで頻繁に放映されてたのもありますが、テンポの良さや撮影技術がカンフー映画黎明期より進化してて単純に娯楽として楽しめたこともあるんじゃねーですかね。
で、ブルース・リーと、彼に憧れて有名になった後続の俳優さんとではファンに(みんな好きというマニアは別として。)決定的な違いがあります。
ブルース・リーのファンはマニヤックなんです。
ピーク時に急逝したっつーのもあるんでしょーが、彼が単なるアクション・スターじゃねー故かと。現に「俺より若いのにブルース・リー大好きって、きっかけは何?」っつーファンもいますし。
真摯なファンには賛否両論ですが、映画『死亡遊戯』。
これを評価しとるしとってリアル・タイム世代だと思います。
公開当時、あらゆる手段を使って物語りを成立させ、クライマックスで本物のブルース・リーが登場するっつー展開にゾクゾクしたはずです。(何故、クライマックスまで本物が登場しないかはネタバレになるので伏せる。)
が、後追い世代にとっちゃ、ドラゴン・シリーズに感動したのに「このストーリーは無い」とか、「(個人的には最高傑作だと思っている)『燃えよドラゴン』と同じ監督がこんなの撮る?C級じゃん!」と憤慨するんじゃねーかと。
ま、僕みてーなスカムな映画が好きな奴は、ブルース・リー主演作品じゃなく、別の楽しみ方がありますが。
話逸れますが、僕、石井輝男監督の『直撃地獄拳』シリーズ好きなんですが、てっきりオープニングとかが『死亡遊戯』へのオマージュかと思ったら、『直撃地獄拳』のが古いんですね。ほいだら、なおさら後追いファンは怒るだろっつー。
個人的には「いやー、石井輝男、凄いな!」ですが。
時は来た!(誰か蝶野役やってやれ。)あ、いや、時は世紀末。
『死亡遊戯』を監督したロバート・クローズ版を遙かに超える『死亡遊戯』のクライマックス・シーンが収められたフィルムが発掘されました。てか、お蔵出しでしょーが。
NGシーンや別テイクを含め、実に90分以上。つまり、ロバート・クローズが監督したものは編集しまくって至極わずかなとこしか作品に盛り込まなかったことになります。
このフィルム使用権利に日米が手を挙げて買収。それぞれ30分以上に及ぶ、ブルース・リーが撮影を済ませていたクライマックス・シーンを編集し直してドキュメンタリー作品を製作しました。
日本は、草案から『死亡遊戯』の撮影を中断して『燃えよドラゴン』がクランクインするまでの再現ドラマを前半に、後半に本来の『死亡遊戯』のクライマックスっつー構成です。
タイトルは『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』。
Game Of Deathと不吉なタイトルながら略すとGodと。
コアなファンからすると、関係者のインタビューを交えたアメリカ版『A Warrior's Journey』のがええと思いますが。
お話戻りますが、ブルース・リーと後続のスターの決定的違いは、彼が俳優であるだけでなく、武道家だったからだと思います。
「アントニオ猪木はホントに強かったのか?」みてーに不毛な憶測はゴミ箱に捨てちまってですね、俳優であるがゆえ武道家としてのこだわりを、「いかにエンターテインメントにできるか?」と考え抜いたしとだったんじゃねーですかね。
文革以降、「ここまで変わるかね?」っつーかの国には、大昔、老荘思想が成立しました。
老子と荘子の、森羅万象及び精神世界への探求をまとめたもんを指します。
例えば、水は高いところから流れ落ち、流れ落ちた水は形を持ちません。自然の摂理です。
そーいったことを自身が追求するものに組み込もうとしたりっつー点が「武道家だな」と。
現に、ブルース・リーのドラゴン・シリーズにおいて、アクション映画なのに意味深な科白がケッコーあります。
大変な読書家でもあったそーですから、個人的には老子寄りだと思います。はい。
全部ホントか知りませんが、日本が製作した『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』の再現ドラマで、『死亡遊戯』製作を思い立った理由が語られております。
「この作品をカンフー映画の集大成にする」
「集大成?引退する気か?」
「二通りの人間がいる。死に際になって入る墓を迷って探す者と、健康なうちに墓を建てる者だ」
ブームは一過性。よって、落ちぶれる前に最高のものを作ろうっつー。
また、オープニングは、大雪で大樹の枝が雪の重みによって折れるなか、細くも柔らかい木がその柔軟性をもって跳ね起き雪を振り落とすっつーもんを考えていたそーです。
『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』の後半は、ほぼ完全版と呼べる五重塔の映像が見られますが、謎だらけです。
まず、ブルース・リーが武術着じゃなくジャージ姿であることと、五人の達人が待ちかまえるとこへ三人で侵入しているとこです。
更に、四階まで制覇しながら、疲弊したブルース・リーは塔を降りて行きます。
五重塔を制覇したものが最強であるっつー草案と矛盾するよーに思えます。
しかも、塔を下る途中で障子を破って外に向かい叫んでます。
内容は不明です。(科白は録音されていなかったため、屋内での戦いにおける科白は口の動きで音声を付けているが、ラストのみ日本独自と思われる。)ただ、ドキュメンタリーとして一応、誰かと会話しているよーに編集しとります。
「貴様と戦いたい奴は外に沢山いるぞ。この戦いはどちらかが死ぬまで続けられるのだ」
そんな誰かさんの科白をでっち上げ、外に向かって叫ぶブルース・リーとシンクロさせてます。
せめて台本があれば、撮影済みのシーンに至る部分と、ラストがどーなるかわかるんですが、台本は消失したかどこかに保管されとるのか現在も不明だそーです。
んなわけで、映画作品としての『死亡遊戯』観る前に『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』を観とくと興味深いかと。
【蛇足】
『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』は2001年版と、没後30年に再編集されたものがある。
俺は2001年のものを三十分近く短縮した現行の2003年版を観たクチだが、五重塔の映像は2001年版とデジタル・リマスターの仕様が異なる上、無駄に映画『死亡遊戯』のテーマ曲を流す箇所があり、コアなファンは否定的なようだ。
あー、先日、ギ装置Rがブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』を映画館で観て(女一人でっつーとこがシュールだ。)「トラックスーツ着てるやつが観たかった。あれは『死亡遊戯』なのね」みてーなこと言っておりました。
ブルース・リー=黄色いジャージっつーイメージが強くなったのは、映画『キル・ビルVol.1』にて、ユマ・サーマンが同じ色と柄のを着てたからだと思います。
だって、それまでブルース・リーっつーと、武術着に上半身裸っつーイメージでしたから。
ブルース・リー。
このしとのファン層って現在四十~五十代だと思います。
僕なんかだと、同じカンフー映画で有名になった俳優さんはジャッキー・チェンやユン・ピョウ、ジェット・リーあたりでしょーか。(少数派だろうが、サモ・ハン・キンポーも好きだった。)
ガキん頃、TVで頻繁に放映されてたのもありますが、テンポの良さや撮影技術がカンフー映画黎明期より進化してて単純に娯楽として楽しめたこともあるんじゃねーですかね。
で、ブルース・リーと、彼に憧れて有名になった後続の俳優さんとではファンに(みんな好きというマニアは別として。)決定的な違いがあります。
ブルース・リーのファンはマニヤックなんです。
ピーク時に急逝したっつーのもあるんでしょーが、彼が単なるアクション・スターじゃねー故かと。現に「俺より若いのにブルース・リー大好きって、きっかけは何?」っつーファンもいますし。
真摯なファンには賛否両論ですが、映画『死亡遊戯』。
これを評価しとるしとってリアル・タイム世代だと思います。
公開当時、あらゆる手段を使って物語りを成立させ、クライマックスで本物のブルース・リーが登場するっつー展開にゾクゾクしたはずです。(何故、クライマックスまで本物が登場しないかはネタバレになるので伏せる。)
が、後追い世代にとっちゃ、ドラゴン・シリーズに感動したのに「このストーリーは無い」とか、「(個人的には最高傑作だと思っている)『燃えよドラゴン』と同じ監督がこんなの撮る?C級じゃん!」と憤慨するんじゃねーかと。
ま、僕みてーなスカムな映画が好きな奴は、ブルース・リー主演作品じゃなく、別の楽しみ方がありますが。
話逸れますが、僕、石井輝男監督の『直撃地獄拳』シリーズ好きなんですが、てっきりオープニングとかが『死亡遊戯』へのオマージュかと思ったら、『直撃地獄拳』のが古いんですね。ほいだら、なおさら後追いファンは怒るだろっつー。
個人的には「いやー、石井輝男、凄いな!」ですが。
時は来た!(誰か蝶野役やってやれ。)あ、いや、時は世紀末。
『死亡遊戯』を監督したロバート・クローズ版を遙かに超える『死亡遊戯』のクライマックス・シーンが収められたフィルムが発掘されました。てか、お蔵出しでしょーが。
NGシーンや別テイクを含め、実に90分以上。つまり、ロバート・クローズが監督したものは編集しまくって至極わずかなとこしか作品に盛り込まなかったことになります。
このフィルム使用権利に日米が手を挙げて買収。それぞれ30分以上に及ぶ、ブルース・リーが撮影を済ませていたクライマックス・シーンを編集し直してドキュメンタリー作品を製作しました。
日本は、草案から『死亡遊戯』の撮影を中断して『燃えよドラゴン』がクランクインするまでの再現ドラマを前半に、後半に本来の『死亡遊戯』のクライマックスっつー構成です。
タイトルは『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』。
Game Of Deathと不吉なタイトルながら略すとGodと。
コアなファンからすると、関係者のインタビューを交えたアメリカ版『A Warrior's Journey』のがええと思いますが。
お話戻りますが、ブルース・リーと後続のスターの決定的違いは、彼が俳優であるだけでなく、武道家だったからだと思います。
「アントニオ猪木はホントに強かったのか?」みてーに不毛な憶測はゴミ箱に捨てちまってですね、俳優であるがゆえ武道家としてのこだわりを、「いかにエンターテインメントにできるか?」と考え抜いたしとだったんじゃねーですかね。
文革以降、「ここまで変わるかね?」っつーかの国には、大昔、老荘思想が成立しました。
老子と荘子の、森羅万象及び精神世界への探求をまとめたもんを指します。
例えば、水は高いところから流れ落ち、流れ落ちた水は形を持ちません。自然の摂理です。
そーいったことを自身が追求するものに組み込もうとしたりっつー点が「武道家だな」と。
現に、ブルース・リーのドラゴン・シリーズにおいて、アクション映画なのに意味深な科白がケッコーあります。
大変な読書家でもあったそーですから、個人的には老子寄りだと思います。はい。
全部ホントか知りませんが、日本が製作した『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』の再現ドラマで、『死亡遊戯』製作を思い立った理由が語られております。
「この作品をカンフー映画の集大成にする」
「集大成?引退する気か?」
「二通りの人間がいる。死に際になって入る墓を迷って探す者と、健康なうちに墓を建てる者だ」
ブームは一過性。よって、落ちぶれる前に最高のものを作ろうっつー。
また、オープニングは、大雪で大樹の枝が雪の重みによって折れるなか、細くも柔らかい木がその柔軟性をもって跳ね起き雪を振り落とすっつーもんを考えていたそーです。
『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』の後半は、ほぼ完全版と呼べる五重塔の映像が見られますが、謎だらけです。
まず、ブルース・リーが武術着じゃなくジャージ姿であることと、五人の達人が待ちかまえるとこへ三人で侵入しているとこです。
更に、四階まで制覇しながら、疲弊したブルース・リーは塔を降りて行きます。
五重塔を制覇したものが最強であるっつー草案と矛盾するよーに思えます。
しかも、塔を下る途中で障子を破って外に向かい叫んでます。
内容は不明です。(科白は録音されていなかったため、屋内での戦いにおける科白は口の動きで音声を付けているが、ラストのみ日本独自と思われる。)ただ、ドキュメンタリーとして一応、誰かと会話しているよーに編集しとります。
「貴様と戦いたい奴は外に沢山いるぞ。この戦いはどちらかが死ぬまで続けられるのだ」
そんな誰かさんの科白をでっち上げ、外に向かって叫ぶブルース・リーとシンクロさせてます。
せめて台本があれば、撮影済みのシーンに至る部分と、ラストがどーなるかわかるんですが、台本は消失したかどこかに保管されとるのか現在も不明だそーです。
んなわけで、映画作品としての『死亡遊戯』観る前に『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』を観とくと興味深いかと。
【蛇足】
『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』は2001年版と、没後30年に再編集されたものがある。
俺は2001年のものを三十分近く短縮した現行の2003年版を観たクチだが、五重塔の映像は2001年版とデジタル・リマスターの仕様が異なる上、無駄に映画『死亡遊戯』のテーマ曲を流す箇所があり、コアなファンは否定的なようだ。
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