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お下劣ハイテンション・ソーダな映画とドアーズのドキュメンタリー

2010年10月26日 23:30

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、十年以上映画作品とは疎遠だったのに、去年暮れからDVDながら色々観ました。
最初は昔観たもんが中心だったんですが、最近は「こ、こんな作品が!」っつーのを探して観てます。
まあ、スカム映画中心ですがね。

 先日、ブルース・リーについて触れた際、デイヴィッド・キャラダインのことを思い出しました。
映画に疎い僕ぁ、彼のことを「好き嫌いが分かれる映画に出る人」と思っとりました。
『キル・ビル』や、そのヒットに便乗して『キル・エビル』っつー邦題を付けて日本でも売り出したアホ映画くれーしか知らなかったですから。(『キル・エビル』は『キル・ビル』の数年前に製作されたものでパロディではない。)
が、去年ですかね、亡くなったのは。
これが変態オナニーもしくはプレイの真っ最中に失敗しちったみてーな緊縛首絞め状態で発見されたんで不謹慎ながら笑っちまいました。マネージャーだか遺族は他殺と主張しましたが、ともかく亡くなったわけです。
んで、「いやー、爺、撮影で訪れていたホテルでって、これがシーンの一つだったんじゃねえか?」っつーくれー、事実は小説よりなんとやらで、彼の経歴を調べました。
ほいだら、ブルース・リーが発案、主演もする予定だったアメリカのTVドラマ『燃えよ!カンフー』の主役だったと。
なんでも、当時のハリウッド及び米TV界じゃ東洋人を主役にしちゃならねー掟があってのことだったそーです。
ブルース・リーが主演だったらなおよかったんでしょーが、この番組がきっかけでアメリカにカンフー映画を受け入れる土壌を作ったっつーこって「いやー、凄いしとだったんですね」と。

 ふと、デイヴィッド・キャラダインのことを思い出し、「この人の最期の出演作って何?」と調べたら、『アドレナリン2:ハイ・ボルテージ』が出てきました。
原題は『Crank:High Voltage』です。
僕ぁ、ピーンときました。ピーンと。
先日、マイク・パットンの海外におけるインタビューを貧弱な英語力で読んどりましたら、「クランクへの出演は?」みてーな質問に「デニス・ホッパーが降りることになって、俺の役も消滅したよ。暗くて悲しい役だったね」みてーなことを答えてました。
僕が、映画の製作が中止になったと思ったのは勘違いで、マイク・パットンの出演が無くなったっつーことだったんだと。(インタビューが『アドレナリン』上映後であったことから、『アドレナリン2:ハイ・ボルテージ』に対する発言で合っていると思う。)
んで、調べたら、出演は無くなったものの、音楽は彼が手がけておりました。
映画音楽の製作も行ってたこたぁ知ってましたが、DVDにもならねーよーなもんじゃなく、メジャー作(でもB級。)も手がけとったか!と。
んで、レンタル屋で借りてきました。

こ、これは傑作だ!

ええ、ただし、スカムな映画好きなしとに限る。

 一作目を観てねーんで、人物の相関図がよくわからんのですが、エログロ、シュール、悪意に満ちたポップさがツボでした。
んで、終始「もう、バカ」っつーハイテンションな展開に、マイク・パットンの多様な音楽性からくるBGMは秀逸でした。特に、スプラッターに大暴れするシーンの、彼がスレイヤーの鬼ドラマー、デイヴ・ロンバートらとやってたファントマスあたりを想起させる曲とか。残念なのは、テーマ曲とかがなくて歌を披露してねーとこですが。

 シュールに主人公シェブが、空から車の上に堕ちてくる冒頭っつーとっからスカム臭ぷんぷんです。
Crank01.jpg
んで、瀕死のとこを謎の中国人組織が捕縛。
心臓を摘出され、充電しねーと死んじゃう人口心臓を埋め込まれるっつー。
Crank02.jpg
しょっぱなから心臓摘出時に煙草の灰を落とされるわ、唾かけられるわで悪趣味の連続です。
てか、この映画、一般作なのに成人指定なんですが、ガキに見せたら大笑いするだろーなっつー。
無意味にネーチャンの裸連発、ネーチャン撃たれて撃たれたことより豊胸したシリコンが流れ出ることに絶叫、心臓を盗んだ奴の居場所を吐かせるのに野郎のケツにタールを塗ったライフルを挿入、恋人イヴがいつの間にかストリッパーになってたとか、まあ、僕好みですね。
Crank03.jpg
Crank04.jpg

あ、お話戻ってデイヴィッド・キャラダインもいい味出してます。うま味です。スカムな映画が好きなら。

 お話変わって、ドアーズのドキュメンタリー映画『まぼろしの世界』が、日本は東京を皮切りに全国上映されるそーです。10/30から順々に。
The_Doors.jpg
これ、僕観に行きます。ジム・モリソンがいねーとはいえ、最初で最後になるかもしれねー、イアン・アストベリーをヴォーカルに迎えたドアーズだけ目当てでサマー・ソニックに行ったくれーですから。(ドアーズは諸事情により1969年の来日が中止になり、ジム・モリソンの急逝もあって日本では一気に人気が落ちた。)
オリヴァー・ストーンが撮った、ヴァル・キルマー主演の映画『ドアーズ』は、メンバー、遺族、友人、ファンから袋叩きにあいましたが(しかし、ドアーズ再評価のきっかけにはなった。)このドキュメンタリーは、メンバーだけじゃなく、ジム・モリソンの遺族も公認っつーこって、極力湾曲した内容じゃねーんだろーと思ってます。

 公式サイトのトレイラー(トップページでしばし待つとFLASHで再生される。)を観る限り、殆どは既出の映像ですが、ジム・モリソン没後に製作されたPVで使用されてた映像に肉声が加えられてるみてーです。(ジム・モリソンの煽動にファンが暴動寸前になり警備員が抑えつける映像等。)
あと、元々ミュージシャンで、ジム・モリソンのファンでもあるジョニー・デップがナレーションと、ポエトリー・リーディングを担当するっつーことで日本も上映権を買収したのかな、と。
ジム・モリソンがドアーズを脱退してパリで撮った映画が近年上映されましたが、あまりの酷さに予定より早く打ち切ったそーで、そーとはいえお蔵入りしてたもんなんで、ドアーズやジム・モリソンの名前で上映権買い取るならそっちなわけです。
てかね、レイ・マンザレクもそーですが、映画製作科で勉強したとは思えねーほど、映像に疎い僕でも稚拙です。

 ドアーズもとい、ジム・モリソンは、良く言えば「消耗品」とされてきた大衆音楽にインテリジェンスを植え付け、高尚化された文学や絵画と同じく「名作は色あせない」っつーことに一役かった一人です。
悪く言えばペテン師です。
ジム・モリソン以前にファンを扇情するミュージシャンはおりましたが、ほとんど天然です。
が、このしと、知能指数が高く、元々「それは○ページの△行だ」と友人が読み上げた、自分が所有しとる蔵書のくだりを即座に言い当てるくれー、言葉の魔術師です。
更に、バンド始めて、ドアーズと名乗る前は小太りな眼鏡かけた文学青年だったのに、不摂生な生活から急激に痩せまして、その風貌は、はかない美貌が宿っとりました。
ついでにマケドニアのアレキサンダー大王を意識したパーマをかけることによってカリスマ性に磨きをかけたっつー。
Jim_Morrison.jpg
これだけでも十分なんですが、彼はシンガーとしてはイマイチですが人を魅了する独特な声質を持っとりました。
これらが一体化し、ファンを魅了といえば聞こえはええですがペテンにかけました。

 後追いでも、「俺は蜥蜴の王だ...全能だ」「現代において名を馳せたいのなら、そうだな、政治家か殺人者になることだ」「ドアーズはエロティックな政治家だ」といった発言を本気で信じてるファンが多いです。
実際は、プライベートじゃ非常に礼儀正しく、スターであるより、詩人として自身の作品を詩人である友人から書籍されてプレゼントされると感動して泣いちゃうよーなしとだったみてーですが。
事実、「ドアーズのジム・モリソンを真に受けるな」みてーなことをうっかり吐露してますから。
逆に、か弱いイメージがある恋人パメラ・カーソンが店を開いた際には、儲けた金で高価なもんをプレゼントする反面、テメーは事務所で寝泊まりしたり物欲は低かったよーです。
Pamela Courson
オランダを訪れた際、ファンから「ジム・モリソンはドラッグ大好き」っつーイメージから様々なネタをプレゼントされたそーですが、それをファンの前で全部飲んでみせたりサービス精神旺盛ですね。てか、旺盛すぎだろっつー。(この時、ジェファーソン・エアプレインのステージに乱入して踊り狂った挙げ句、満面の笑みで気絶した。)
ただ、酒豪かつ酒癖が悪かったのも事実で、泥酔して酷いステージを披露した音源が結構存在します。彼の理解者であり、リーダーでもあるレイ・マンザレクが「ストップ・ザ・カー!」と一喝して暴走を止めたくれーですから。
ギターのロビー・クリーガーを殴ったり、ドラムのジョン・デンズモアがストレスで蕁麻疹が出るよーな素行だったのに、レイ・マンザレクの言葉には逆らわなかったよーです。(だからか、今でも「俺がドアーズ」な口ぶりだが。)

 ドアーズは今でも活動しとります。公式サイトは消えても、少なくとも2008年までライブを行っていたことから。
ただ、カルトのイアン・アストベリーをヴォーカルに迎えてから、参加しなかったジョン・デンズモアやパメラ・カーソンの遺族から「ジム・モリソン抜きでドアーズという言葉を含んだバンド名での活動は売名行為だ」みてーに訴えられて敗訴しちったからか、予定されてた新作は未だ進捗状況すらわからん状態ですが。
しかしですね、当初、スコット・ウェイランド(ストーン・テンプル・パイロッツ~ヴェルヴェット・リボルバー)やエディ・ヴェダーを候補として選考しながら、イアン・アストベリーをジム・モリソンの後任にしたのは正解だったと思っとります。
ジム・モリソン他界直後にイギー・ポップに打診しとりまして、それが実現したもんも観たいもんですが、イアン・アストベリーは期待を裏切らねー仕事をしてますから。
ステップはカルト時代と変わらねーですが、ルックスとシンガーとしてのポテンシャルの高さから、下手にイメージぶち壊すより、ファンが観てぇと思う風貌やらに尽力してますから。
んなわけで、イアン・アストベリーによるLA Womanを観てみましょー。(レイ・マンザレクは「ジムがいなくなって初めてのライブ演奏だ」と言っていたが、実は『LAウーマン』発表直後のライブ音源が存在するのだが。)

<LA Woman/RIDERS ON THE STORM>
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