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Blue Jeans & Moonbeams - Captain Beefheart

2011年01月05日 21:51

【今日の記事はくだらない裏話と、相変わらずビミョーな作品のレビューです。】

BandM.jpg
Blue Jeans & Moonbeams/キャプテン・ビーフハート
1974年リリース

1.Party Of Special Things To Do
2.Same Old Blues
3.Observatory Crest
4.Pompadour Swamp
5.Captain's Holiday
6.Rock 'N' Roll's Evil Doll
7.Further Than We've Gone
8.Twist Ah Luck
9.Blue Jeans And Moonbeams




【この作品を一言で語るなら「バンドじゃなく声がマジック」。】

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、キャプテン・ビーフハート。
現在入手できる自伝的評伝が翻訳出版される前、確か結構分厚い評伝が日本でも出版され、一瞬買おうかと思いましたがドアーズの評伝を買いました。(『ムーンライト・ドライブ』。ジム・モリソン脱退、他界後の作品も楽曲毎に詳しく紹介された既存のものとは異なる内容だった。)
んで、熱狂的なファンでもなければ、評伝の一冊も読んでねーんで、記事を書くか書かねーか迷ったんですが、思い切っていっちゃいましょー。

 昨年、キャプテン・ビーフハートが亡くなりました。
多発性硬化症からくる合併症とのことでした。
このしともまた、親友であるフランク・ザッパと同じく、ファンは狂信的です。
んで、フランク・ザッパがプロデュースした『トラウト・マスク・レプリカ』が最も有名な作品です。
Trout Mask Replica
むかーし、僕、この作品を紹介したことありますけど、作曲から録音、ミックスまでの過程を知らねーと、十回以上聴かねーと良さっつーか凄さがわからんです。
これを熱狂的ファンは「これ聴いてみ」と薦めます。
ほとんど一見さんは感動する以前に拒絶反応を示します。
良心的なファンは、デビュー作の『セイフ・アズ・ミルク』あたりを薦め、気に入ったら『トラウト・マスク・レプリカ』を聴いてみるといいと説明してくれるはずです。
個人的には、現行、ファンがイメージする突き抜けてる感のある『スポットライト・キッド』と楽曲の良さが際だつ『クリアー・スポット』が2in1になっとるのをオススメしてーとこですが、あえてそーしなかった理由はあとで。


《ところで、なんでキャプテン・ビーフハート?》

 よく、フランク・ザッパが命名っつー説がありますが、ザッパ自伝によりますと、高校時代、キャプテン・ビーフハートことドン・ヴァン・ヴリートは実家で恋人と同棲してたそーです。
んで、叔父も同居しており、小便するときはドア全開でして、ドンの恋人が通りがかると露出させたチンポを誇示して「おぉ、まるで牛の心臓のように見事だなぁ」と呟いてセクハラしてたっつー。
これがどーにかなって「キャプテン・ビーフハート」と。
因みに1962年にザッパが『キャプテン・ビーフハート対ブーブー人』っつーSF映画を製作することになり、そこで思いついたんじゃねーですかね。
こりは撮影以前に、何故か風俗法に抵触すると理不尽な言いがかりをつけられ、再三にわたる刑事の誘導尋問(腕時計に盗聴器入り。)にうっかりひっかかって刑務所にぶち込まれました。
んで、出所したら借金こいて購入したスタジオがぶっ壊されてたっつー。


《ハンコとサインは気易くするなと親は教えろ》


 前述のとーり、キャプテン・ビーフハート側の書物を未読なんで、フランク・ザッパによる視点からですが、キャプテン・ビーフハートは理詰めな性格ではなかったと。
こりはホントだと思います。諸作品聴くと想像に難くねーです。
んで、それ故、後先考えずレコード会社が提示した書類にサインしたと。
結果、契約の縛りにより思い通りの活動が出来なくなり、ザッパに泣きつきツアーに帯同します。
こんときの作品がフランク・ザッパの1975年発表の『ボンゴ・フューリー』です。
beefheart and tzappa

で、その前年に発表されたのが今回紹介する『ブルージーンズ・アンド・ムーンビームス』です。

 このアルバム、狂信的なファンには評判悪ぃです。
理由は、レコード会社が勝手にミックス・ダウンしたとか、キャプテン・ビーフハート及び彼が率いるマジック・バンドらが気に入ってねーと発言したからとか色々あります。
当事者が気に入ってねー理由は、それまで一癖あったブルース、R&B由来のサウンドが、そこらのバンドと同じよーになったからじゃねーかと思います。

 当時の海外のメディアにおける評価も軒並み低かったよーです。
でもですね、楽曲、バンドの演奏いずれも客観的に聴くと素晴らしいです。
んで、すげー真面目に歌ってます。
よく、ブルースマンであるハウリン・ウルフの影響について語られますが、ザッパ曰「ドンもR&Bの鬼だったから」っつーわけで、中庸な楽曲に対して見事にマッチしてます。
更に、現行のCDは傑作とされる作品を出し抜いてデジタル・リマスターされて音質良好です。
なので、他にオススメしてー作品はあれども、アホみてーに『トラウト・マスク・レプリカ』薦めるより、彼の歌唱力や声の魅力を堪能できる中庸な本作を最初に聴いて欲しい、と。
特に〆のタイトル・トラックは素晴らしいです。最後に聴いてみましょー。


《なんとかの帰還》

 キャプテン・ビーフハートは元々彫刻家を志してたそーです。
んで、半分嘘だと思いますが、奨学金貰ってフランスだかに留学するはずが、両親の「ゲイジツ家になるとゲイに目覚める!」っつーアホな意見から留学は中止になりました。
とはいえ、前述の後先考えねー契約による縛りに疲弊し、1982年に音楽業界を引退しました。
引退後は本名で画家として活動し、個展も定期的に行っていたよーです。
なお、引退直前にフランク・ザッパのもとを訪れ、そのときの印象を「ひどく疲弊した様子だった」とザッパは自伝で綴っております。
なんでも、1970年代後半から多発性硬化症が発症してたよーなんで、1980年代に遺した二枚は中々の作品ですが、かなり辛かったんだろーなぁ、と。

 僕ぁゲージツはわからんですが、キャプテン・ビーフハートが本名で画家として活動していた頃の作品をいくつか掲載してーと思います。
しかしなぁ、『トラウト・マスク・レプリカ』でミュージシャン向けの存在になっちまいましたが、ミュージシャンとしても、もっと広く知られてもいい才能持ってたよなぁ。
Don Van Vliet01

Don Van Vliet02

Don Van Vliet03

<Captain Beefheart - Bluejeans and Moonbeams>


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