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映画『クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~』

2011年01月04日 12:19

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、毎度エロい映像作品ばっか紹介すんのもなんなんで、今回は真面目に。
いやー、元日にカキ初めしましたら、ザーメンがめたくそ飛びまして...

<予定調和的オヤジギャグが始まりますので読み飛ばす準備をしてください。>

飛んでイスタンブールってか!ウホホ、アーハハ!
なあ、ヨシダくん、ささ、年始だからな、笑いたまえ!
...。
......。

書いてるこっちが一番痛々しい気持ちなんですよ!
冷め切った目で見つめないでください。よろしくって?(上から目線で。)

<逆ギレです。>

CTB.jpg
『クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~』
2006年公開
監督:ファティ・アキン
主演:アレキサンダー・ハッケ



 あー、初っぱなから少々脱線ですが、たまにキーワード検索による来訪で、「Soul Kitchen 映画」なんてのがあります。
すんません。たどり着いたのが「チンポ!まんこ!」連呼しとるお下劣ブログで。
んで、映画『ソウル・キッチン』を手がけた監督ファティ・アキンによる、イスタンブールの音楽ロード・ムービーがこれです。

 なんか、最初に結論書くのもどーかと思いますが、色々惜しいなぁ、と。
でも、断っときますけど、欧米諸国が認識しとるトルコ及びイスタンブールの歴史と、僕ら日本人が認識しとる歴史やイメージが異なるんで、本筋は退屈しちゃっても仕方ねーかな、と。
「カンヌ映画祭出品作」「メキシコ国際映画祭で賞を受賞」「大阪ヨーロッパ映画祭のオープニング作」とかの紹介に期待しちゃうと肩すかしかな、と。
一番惜しいと思ったのが、各国の文化が交差・融合する都市を舞台にしとるのに映像がイマイチなとこです。これでかなり損してると思いました。
istanbul.jpg
ガイドブックなんかで見られる美麗な風景じゃなく、わざとチープに撮ったのかもしれねーですが。

 ロード・ムービーですからストーリーはねーですが、イスタンブールのミュージック・シーンに魅了されたミュージシャンが、DAWソフト(音楽総合制作ソフト)をインストールしたノートPCとマイク12本を抱え、あらゆるミュージシャンと会っては録音するっつーもんです。
んで、そのナビゲーターをつとめるのがアレキサンダー・ハッケ。
ドイツの音楽集団アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのメンバーです。
音楽集団っつーか、よく言われるインダストリアルやノイズより「音楽の可能性追求集団」が適切なしとじとだと思います。
因みにアレキサンダー・ハッケの『サンクチュアリ』(これ、いずれ紹介しようかな。)はエスノ・ミュージックが好きな僕にとって、どストライクなんですが、ハッケやアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンを知ってるしとって、かなりの音キチだと思います。
つまり、単に映画を観てるしとは「この髭のオッサンは何?誰?」と。
Alexander Hacke

昔、元クリームのジンジャー・ベイカーがアフリカへ旅立ち、現地のパーカッショニストとジャムるっつードキュメンタリーがありましたが、そんくらい知名度があるしとじゃねーと、知らねぇしとはポカーンです。

 一応、前述のとーり、色々と賞受賞したり話題になった作品らしいんですが、僕ぁ逆にそーゆーのを売りにされると萎えるんで無視しますが、イスタンブールのミュージック・シーンを、ロック、ヒップホップといった商業的なものから、様々な文化が融合した結果誕生した民謡まで網羅しようとしたのは拍手だと思います。
でも、70以上の民族がひしめき合うイスタンブールで、それらをきっちり紹介しきれるわけがないんじゃねーかと。
エスニック料理屋でご当地のCDをよく流してますが、漠然と見ちゃうとそんな感じです。
なら、どれか一本に絞って紹介しろって話ですが、これも悩ましい。
ロックっつっても、僕らが日々接してる洋楽や、洋楽コンプレックスから誕生したような現在の邦楽よりクォリティは低いです。
でもですね、根底に独自のメロディやビートがあり、それを現在主流である曲想に融合させとるっつー。
ヒップホップにしてもそーです。
なので、どっからどこまで紹介するかっつーのは監督も苦慮したんじゃねーかと。

 イスタンブールはトルコの首都っつーイメージは、中世から近代における文化の変遷、所在する位置が大きいと思います。
中世まではビザンツ帝国の首都コンスタンチノーブルとしてキリスト教圏でしたが、オスマン帝国の侵攻によりイスラーム文化に変わり、第一次世界大戦後、トルコ共和国建国にあたって首都から外れます。
ただ、ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアと認識されており、その東西の交差点に位置することから現在も首都より重要な都市っつーイメージなんじゃねーかと。
実際、西にブルガリア、南は地中海、東は中東諸国に隣接しとるんで、過去の歴史だけじゃなくリアルタイムでも変化し続けるポジションにあると思います。
ただ、劇中に登場する市井のしとは「どこからどこまでが西で、東なのかなんて関係ない」「東西に分けて認識させようとしているのは、時の権力者の都合だ。ソ連崩壊後、新たな脅威(=敵)を作り出さなければならなくなったからだ」と、意に介してねーみてーですが。

 ともあれ、「イマイチな映画」と書きつつ、音楽ファンの僕ぁ色々興味をそそられました。
イスタンブールの重要地点であるボスポラス海峡の船上で演奏するバンドとか。
しかも、一見ロック・ドラムなんですが、スネアを民族楽器に変えて独自のビートを出してたり。
ガレージ系のロック・バンドはサウンド・クォリティは低いものの、その衝動性は昨今忘れられている初期ストゥージズなんかを彷彿させるもんでして、ちゃんとしたプロデューサーがつけばかなりのもんが作れそーです。
rec.jpg
あと、印象的だったのが、ヒップホップ仲間の意見のやりとりですね。
「見てくれや、要はアメリカの真似じゃないか」と言われれば「違う。俺たちは裏社会とは無縁で、クスリもやらない。自分たちの主張を通すことが重要で真似じゃない」と答え、若者らしい意見の交換がなされるシーンも観られます。
時間の都合か掘り下げて紹介されませんでしたが、放浪者を指すロマと呼ばれる音楽集団の演奏時に一瞬楽譜が見られます。
五線じゃなく、単にノートに音符だけを記したもんです。
score.jpg

こちらはベリーダンス調の曲に合わせてスーフィズムのよーにクルクル回るパフォーマー。
Sufism.jpg
イスラーム神秘主義がどんだけの割合か知りませんが、こーゆー活動しとるしともいて興味深いです。
劇中、個人的にたまげたのは、民族弦楽器でスパニッシュ・ギターのエッセンスと奏法でトルコ民謡を弾くバンドが出演するバーでのシーンですね。
Bar.jpg
そら酒も進むわっつー。
アンプの壁で大音量の音楽だけじゃなく、こーいった音楽も刺激的なのです。

 劇中にはイスタンブールのポップ・ミュージックを切り開いたしとや、ディーヴァとして伝説になっているしとも登場しますが、こちらも「もすこし掘り下げて紹介して欲しいなぁ」と。3 mustaphas 3
因みに、本作を見て興味が湧いてCDを買っちゃいたくなるしともいると思いますが、その前にたまに触れる3ムスッタファズ3を聴くことをオススメします。
インチキなバイオは「バルカン半島出身」ですが、作品毎にイギリスあたりの凄腕ミュージシャンが匿名で入れ替わり参加しとるバンドっつーよりプロジェクトみてーなもんです。
長らくCDの再発が無く、十年ぶりくれーに再発されたときに即買った思い出から『ショッピング』を採り上げますが、基本、エスノ・ミュージックが好きならどれもハズレはねーです。


 イスタンブールから離れますが、文化の交流が目まぐるしく行われている地域のバンドはおもれーです。
一応はアメリカのテキサス州にある、アメリカ最西端の街エル・パソ出身のバンドにマーズ・ヴォルタがいます。
街はほぼメキシコ人やラテン系移民が占め、英語よりスペイン語が用いられてるっつー。
んで、サルサなんかが活発なんだそーです。TheMarsVolta.jpg
ドアーズのWASP(Texas Radio Bigbeat)で歌われとるよーに、アメリカのラジオじゃ聴けねー風変わりな曲が流れてくる地域故、マーズ・ヴォルタの音楽性も「○○に似ている」と形容できても、決定的に違う点があります。
扇情的な曲に顕著なんですが、根底にサルサのビートを必ず取り入れてトリッキーな激しさを醸しだしてんだそーです。
観るしとを選ぶ映画だと思いましたが、久々に中庸じゃねー刺激的な音楽を聴きたい衝動に駆られたのことには感謝です。

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