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アルビオンの娘たちとレオン・ラッセル一派

2011年01月18日 21:33

daughters_of_albion.jpg『Daughters Of Albion』
(1968年リリース2008年CD化)

01.I Love Her and She Loves My
02.Still Care About You
03.Yes, Our Love Is Growing
04.Candle Song
05.Ladyfingers
06.Sweet Susan Constantine
07.Hats Off, Arms Out, Ronnie
08.Good to Have You
09.Well Wired
10.Hey, You, Wait, Stay
11.Story of Sad
12.1968: John Flip Lockup



【この作品を一言で語るなら「色々勿体ない」】

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、禁煙してから貯金でもすりゃえーのに、妙な心の余裕から仕事帰りにレコ屋で中古チェック、掘り出し物をめっけて帰宅。ジョギングしてシャワー浴びて、酒飲みながら聴くっつーのが至福の時間です。(俺はこういう生活やチンポを扱いてりゃ満足なんだ。安い人間だろ?)

 漠然と入店するのもなんなんで、事前にネットで「最近のフェアは?」と調べてから行きます。
とはいえ、メガストアより音楽マニヤ向けの店のが危険です。
海賊盤の中古DVDって千円以下で買えるんで、気づくと海賊盤DVD三枚、プレイヤー持ってねーのに好きなバンドの復刻アナログ盤、「さっさとリリースしとけや」っつーレア音源を集めたCD三枚くれー抱えてます。
「い、いかん!いかんぞ!」と各商品を元の棚に戻し、ホントに欲しいもんだけ買う僕ぁアブナイ客です。

 本作を購入した理由はいくつかあります。
まず、ユニット名。
こり、ピン!ときたしとは詩人か詩に造詣深ぇです。
ウィリアム・ブレイクの代表作の一つ『アルビオンの娘たちの幻影』から頂戴したと思われます。
次にメンツ。
グレッグ・デンプシーとキャシー・ダルトン(本作ではキャシー・エッセ名義。)のデュオですが、デンプシー作の曲をレオン・ラッセルがアレンジしてプロデュース。
daughters_of_albion01.jpg
更にラッセルが呼んだか、ギターにジェシ・エド・デイヴィス。
このしと、ソロより共演したしとらが凄ぇです。
ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンらを始め、ロッド・スチュアートがビッグ・ネームになる運命的アルバム『アトランティック・クロッシング』なんかに参加してます。
意外なとこだと井上陽水とも共演。
残念ながらドラッグのオーバードーズで四十代にして亡くなりましたが。
ベースはカール・レイドルで、エリック・クラプトンの代表曲である一つ「いとしのレイラ」を収録したデレク・アンド・ドミノスのアルバムなんかに参加するっつー。
こんな豪勢なメンツながら、2008年まで未CD化だったよーで、それが在庫処分フェアの一枚に含まれとりました。
お値段1,200円也。Amazonでも倍以上する上、この手の作品は内容問わず「売れなかったから解散。売れなかったからCDにしない」っつーわけで、買えるうちに買っとけと。

 1970年代になり、スワンプ・ロックっつージャンルが生まれました。
ここらへんが「ジャンルなんかどーでもええがな」と思うとこですが、要はサザンロックの黎明期における呼称で、米南部出身のミュージシャンによる南部独自のサウンドを指すよーなんです。
が、レオン・ラッセルって南部出身じゃねーです。でも、スワンプっつーくくりの話になると大御所として語られます。
他、イギリスでも類似したサウンドのバンドを「ブリティッシュ・スワンプ」なんて紹介しとりますが、こーゆーご都合主義で定義があやふやなとこに「ポップ・ミュージックのジャンル分けは不毛」と思うのです。
良い物は良い、ダミなのはダミでええだろっつー。
まあ、便宜上、ジャンルを指す呼称を用いると便利なんで僕も「これは○○」とか使いますけど。
嗚呼、話逸れました。

 全編が所謂スワンプ調でもなく、発表されたのが1968年っつー割にはサイケ色も薄く、サウンドもマニヤ向けなもんじゃねーです。
レオン・ラッセルによるプロデュースでサウンド良好、彼がアレンジしたホーン&ストリングスも上手く馴染んでます。
もし、1970年代前半に発表されてたら、男女デュオによるポップ・アルバムの名盤と語り継がれてたかもしらんです。
僕、「なんでも聴きます」みてーな聴き方じゃなく「気に入ったらなんでもOK」なんで、上記のよーな分析は不要なんですが、この手のマニヤってうるせーんですよね。
とはいえ、売れなかったのが勿体ない内容です。

 CD化にあたって裏面に記さしたと思うんですが、ユニットと参加ミュージシャンの説明がなされてます。
「レオン・ラッセルがプロデュースして、伝説的なギタリストのジェシ・エド・デイヴィスが~」とかプリントされとります。
フツー、メンバーの表記はインナー・スリーブですが、こりは痛々しいです。
そんだけジャケットが「何これ?」と残念な証拠です。
ジャケだけ見ると、自主製作のチープでマニヤ向けな印象受けますから。勿体ない。

 ウィリアム・ブレイクの作品から引用されたと思われるユニット名を活かせてねーのも勿体ねーですね。
『アルビオンの娘たちの幻影』は、今世紀に入って岩波文庫の選詩集に原文と対訳が全文収録されたもんが刊行され身近になりました。
海外での評価は知りませんが、日本だと、詩の内容よりこの絵が有名です。
blake_daughters_of_albion.jpg
こりをジャケに使えばよかったのに、と思います。(音楽に限ったことではないが、ブレイクの詩や絵を作品に借用するミュージシャンは多い。)
なお、詩の内容は、愚直なセオトーモンが、18世紀当時の奴隷売買や既知のものしか肯定しない風潮を具現化したブロミオンに恋人である天真爛漫なウースーンをレイプされ怒りのあまりブロミオンとウースーンを背中合わせに縛り洞窟に監禁するっつーもんです。
んで、三者がそれぞれの考えを語りかける構成なんですが、結構偏った解釈になるだろーなぁ、と。
重要な発言の殆どはウースーンによるもんですが、ガチガチのフェミニストが読んだら偏狭な感想しか抱かねーだろーな、と。確かに当時男尊女卑な社会にあって、女性の権利を強く打ち出す考えを持った人物として描かれてますが。
僕ぁ老荘思想的なもんを強く感じたんで、「天真爛漫」と形容しましたが。
嗚呼、また話が逸れた...。

 一応、輸入盤に帯付けて国内盤仕様で扱ってもいるよーですが、恐らく歌詞の対訳はねーはずです。
てか、聴く限り、ウィリアム・ブレイクはどーでもえーよーな歌詞だと思います。
とはいえ、ブレイクの作品をユニット名にしたことによって、レオン・ラッセル=1970年のアルバム、もっと突っ込むとA Song For Youのしとっつーイメージを払拭してくれた作品でした。
Leon Russell
先述のとーり、ヨーロッパのプログレッシヴ・ロックと同じく、この手の作品も発掘し出すと時間も金も浪費するんで。
んなわけで、一曲聴いてみましょー。

<Daughters Of Albion - 1968 - John Flip Lockup>

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