2011年01月23日 00:00
こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、よく、びた一文にもならねーのにネット上で雑感や情報を発信する奴を露出狂とする傾向があります。
ま、あながち間違いじゃねーですな。
僕ぁ、最近、呑むより呑まれるで外で呑むと酔っぱらって脱いだり暴言吐いたりしますから。(不名誉なことだが、事実なので仕方がない。そのうち痛い目に遭うだろう。)
とはいえ、そんなネットにおけるストリーキングの世迷い言に知りたい情報を、ポータル・サイトの検索で読んでくださる方がいることも事実ですから、金貰ってねー程度の責任を持って書いとります。(たまに誤った情報を記したことを知ると、素直に訂正する。)
で、先日、「内田裕也がルー・リードと揉めた」っつーエピソードを調べとりましたら、ジョー山中に行き着きました。
ジョー山中っつーと、一般的に映画『人間の証明』の主題歌が有名です。
が、1990年代が青春だった僕にとってはフラワー・トラヴェリン・バンドのヴォーカルなのです。
1990年代後半に、温故知新的なバンドが色々出てきまして、そーいった輩に影響を与えたパイオニアが再評価されました。
そん中で日本代表の一つがフラワー・トラヴェリン・バンドだったと。
当時、僕ぁ若気の至り全開でしたから、酩酊しながら彼らの『SATORI』を聴いたもんです。
『SATORI』
(1971年リリース)
1.Satori Part1
2.Satori Part2
3.Satori Part3
4.Satori Part4
5.Satori Part5
(再発期によっては日本語のデモ音源の収録もあり。)
【この作品を一言で語るなら「俺が思う日本らしさがある」。】
改めて聴いてみて、ええとことダミなとこを明確に感じました。
えー、まず、今じゃ「精神年齢いくつよ?」と冷笑されとる内田裕也ですが、僕ぁ有りだと思います。
20~30代までロック・ミュージックについて熱く語り、不惑を超えると文化人面する輩が海外に多いんで、還暦過ぎても相変わらずなとこはすげーです。
僕が三十代半ばに差し掛かる今も「チンポ!まんこ!」連呼し、ライブ向けの髪型に「内田裕也みたいに」と美容師さんに注文するわけです。
三年くれー前のだと思いますが、新年恒例のフェスティバルでのパフォーマンスは古稀間近と思えねー威風堂々としたもんでした。
そんな内田裕也がグループ・サウンズ全盛時に、「こんなんじゃ海外で通用しない」と思ったか結成したのがフラワーズです。
このバンド、麻生レミをヴォーカルに迎え、1968年当時の洋楽ヒット曲を中心にカヴァーした『チャレンジ』を発表します。
結果、予想外に売れなかったよーですが、世相に合わせてた麻生レミの歌がハンパなく、特にジョージ・ガーシュイン作、ジャニス・ジョプリンによるヴァージョンが有名なSummer Timeやらが素晴らしかったという。
海外のR&Bシンガーにひけをとらねーんですが、日本人的な節回しがあるんですね。
皮肉にも、現在はCD化されるや予想以上の売れ行きでプレミア価格がついとるっつー。
今じゃ白髪鬼(漫画『傷追い人』ではない。)と、見てくれより演技力なババア(樹木希林)夫婦ですが、昔はこんなんでした。
いや、そりは置いといてですね、フラワーズにジョー山中を呼び寄せ、フラワー・トラヴェリン・バンドとして心機一転します。
これにより、内田裕也はプロデューサーになるんですが、沢田研二やらジョー山中やらを発掘して世に出した慧眼はもっと評価されてええと思います。
諸説が色々ありますが、日本人とジャマイカンのハーフであるジョー山中は少年時代から地元じゃ有名な喧嘩師だったよーで、自分から門戸を叩く前に協栄ジムからスカウトされたみてーです。
が、プロになってから自主的に辞めたっつーのと、年齢詐称が発覚してライセンスを剥奪されたっつー説があります。
当時、ハーフ=差別の対象っつー少年時代を生き、一応は元ボクサーながら、十分暴力沙汰を起こしかねねー輩をバンドのフロントマンに据えたという。
んで、ジョー山中は公称3オクターブの声を持つシンガーとして表舞台に立つわけですが、こりがとんでもねーっつー。
フラワー・トラヴェリン・バンドの1stは、現在も変わらぬ英米ポップ・ミュージックへの憧れが感じられます。
が、2ndにあたる本作は、当時の英米における大御所ロック・バンドに引けを取らねー演奏力と、日本特有のエッセンスがちりばめられております。
特にSatori Part2とSatori Part5ですね。
ただ、残念なのは、内田裕也の意向なのか、はたまた予算が無かったのか、ほぼ一発録りっぺーとこですね。
ヴォーカルがファルセットに変わるとこで若干フラット気味になったり、いくら超人的な声とはいえ、ライブじゃねんだから完璧なテイク録るかレコーディングにもっと工夫してくれ、と。
僕みてーに生まれたらとっくに解散してたっつー世代からすると「ああ、惜しい!」と思うんですが、リアルタイムで聴いてたしとからすると単純に「凄いバンドだ!」と感嘆としたんあじゃねーかと思います。敢えて全曲英語だったこともあり。
読書量は少ねぇですが、好きな作家の一人である藤沢周は、芥川賞受賞前は青春時代に好きだったもんのタイトルを小説の題名にする傾向があったよーでして、『死亡遊戯』の他、『Satori』(読みはサトーリ。架空のドラッグをテーマにした作品。)っつー作品があります。
なので、リアルタイム世代からすると、衝撃的な作品だったと思われます。
僕も衝撃受けましたけど。
ただ、前述のよーに、もう少しヴォーカル・トラックに金と時間を割いて欲しかったな、と。
因みに、1stアルバムで本家発表の翌年にブラックサバスのBlack Sbbathを早くもカヴァーしとるよーに、ギターの音なんかはディープ・パープルの『イン・ロック』あたりを想起させますが、歌唱法は本作も歌の巧いオジー・オズボーンって感じです。
冒頭に戻りまして、昨年、肺癌を患い、秋には自宅が全焼したっつーニュースは知ってたんですが、自宅全焼からほどなくして内田裕也のイベントに参加して(律儀だなあ。)Satoriを熱唱したっつーニュースを新たに見つけました。
肺癌患って、64歳で歌ったならとんでもねーなっつー。
更に、ソロになってからヒット曲が結構あるんで「住むとこなんて賃貸でええやん」と思ってたら、前妻との間に生まれたせがれの家に身を寄せとるっつー。
んなわけで、映画『人間の証明』のラストに流れる名曲と、デビュー期は別人のよーですが、双方を聴き比べてみましょー。
てかなぁ、最新の再発元が海外のレーベルだったり、実際、海外のが評価高ぇみてーなんで、同路線で続けてたらメタル・ブーム期のラウドネスやヴァウ・ワウどころじゃねーバンドになってたんじゃねーですかねぇ。
<ジョー山中 - 人間の証明>
<Flower Travellin' Band - Satori, Pt. 5 >
にほんブログ村
あー、よく、びた一文にもならねーのにネット上で雑感や情報を発信する奴を露出狂とする傾向があります。
ま、あながち間違いじゃねーですな。
僕ぁ、最近、呑むより呑まれるで外で呑むと酔っぱらって脱いだり暴言吐いたりしますから。(不名誉なことだが、事実なので仕方がない。そのうち痛い目に遭うだろう。)
とはいえ、そんなネットにおけるストリーキングの世迷い言に知りたい情報を、ポータル・サイトの検索で読んでくださる方がいることも事実ですから、金貰ってねー程度の責任を持って書いとります。(たまに誤った情報を記したことを知ると、素直に訂正する。)
で、先日、「内田裕也がルー・リードと揉めた」っつーエピソードを調べとりましたら、ジョー山中に行き着きました。
ジョー山中っつーと、一般的に映画『人間の証明』の主題歌が有名です。
が、1990年代が青春だった僕にとってはフラワー・トラヴェリン・バンドのヴォーカルなのです。
1990年代後半に、温故知新的なバンドが色々出てきまして、そーいった輩に影響を与えたパイオニアが再評価されました。
そん中で日本代表の一つがフラワー・トラヴェリン・バンドだったと。
当時、僕ぁ若気の至り全開でしたから、酩酊しながら彼らの『SATORI』を聴いたもんです。
『SATORI』
(1971年リリース)
1.Satori Part1
2.Satori Part2
3.Satori Part3
4.Satori Part4
5.Satori Part5
(再発期によっては日本語のデモ音源の収録もあり。)
【この作品を一言で語るなら「俺が思う日本らしさがある」。】
改めて聴いてみて、ええとことダミなとこを明確に感じました。
えー、まず、今じゃ「精神年齢いくつよ?」と冷笑されとる内田裕也ですが、僕ぁ有りだと思います。
20~30代までロック・ミュージックについて熱く語り、不惑を超えると文化人面する輩が海外に多いんで、還暦過ぎても相変わらずなとこはすげーです。
僕が三十代半ばに差し掛かる今も「チンポ!まんこ!」連呼し、ライブ向けの髪型に「内田裕也みたいに」と美容師さんに注文するわけです。
三年くれー前のだと思いますが、新年恒例のフェスティバルでのパフォーマンスは古稀間近と思えねー威風堂々としたもんでした。
そんな内田裕也がグループ・サウンズ全盛時に、「こんなんじゃ海外で通用しない」と思ったか結成したのがフラワーズです。
このバンド、麻生レミをヴォーカルに迎え、1968年当時の洋楽ヒット曲を中心にカヴァーした『チャレンジ』を発表します。
結果、予想外に売れなかったよーですが、世相に合わせてた麻生レミの歌がハンパなく、特にジョージ・ガーシュイン作、ジャニス・ジョプリンによるヴァージョンが有名なSummer Timeやらが素晴らしかったという。
海外のR&Bシンガーにひけをとらねーんですが、日本人的な節回しがあるんですね。
皮肉にも、現在はCD化されるや予想以上の売れ行きでプレミア価格がついとるっつー。
今じゃ白髪鬼(漫画『傷追い人』ではない。)と、見てくれより演技力なババア(樹木希林)夫婦ですが、昔はこんなんでした。
いや、そりは置いといてですね、フラワーズにジョー山中を呼び寄せ、フラワー・トラヴェリン・バンドとして心機一転します。
これにより、内田裕也はプロデューサーになるんですが、沢田研二やらジョー山中やらを発掘して世に出した慧眼はもっと評価されてええと思います。
諸説が色々ありますが、日本人とジャマイカンのハーフであるジョー山中は少年時代から地元じゃ有名な喧嘩師だったよーで、自分から門戸を叩く前に協栄ジムからスカウトされたみてーです。
が、プロになってから自主的に辞めたっつーのと、年齢詐称が発覚してライセンスを剥奪されたっつー説があります。
当時、ハーフ=差別の対象っつー少年時代を生き、一応は元ボクサーながら、十分暴力沙汰を起こしかねねー輩をバンドのフロントマンに据えたという。
んで、ジョー山中は公称3オクターブの声を持つシンガーとして表舞台に立つわけですが、こりがとんでもねーっつー。
フラワー・トラヴェリン・バンドの1stは、現在も変わらぬ英米ポップ・ミュージックへの憧れが感じられます。
が、2ndにあたる本作は、当時の英米における大御所ロック・バンドに引けを取らねー演奏力と、日本特有のエッセンスがちりばめられております。
特にSatori Part2とSatori Part5ですね。
ただ、残念なのは、内田裕也の意向なのか、はたまた予算が無かったのか、ほぼ一発録りっぺーとこですね。
ヴォーカルがファルセットに変わるとこで若干フラット気味になったり、いくら超人的な声とはいえ、ライブじゃねんだから完璧なテイク録るかレコーディングにもっと工夫してくれ、と。
僕みてーに生まれたらとっくに解散してたっつー世代からすると「ああ、惜しい!」と思うんですが、リアルタイムで聴いてたしとからすると単純に「凄いバンドだ!」と感嘆としたんあじゃねーかと思います。敢えて全曲英語だったこともあり。
読書量は少ねぇですが、好きな作家の一人である藤沢周は、芥川賞受賞前は青春時代に好きだったもんのタイトルを小説の題名にする傾向があったよーでして、『死亡遊戯』の他、『Satori』(読みはサトーリ。架空のドラッグをテーマにした作品。)っつー作品があります。
なので、リアルタイム世代からすると、衝撃的な作品だったと思われます。
僕も衝撃受けましたけど。
ただ、前述のよーに、もう少しヴォーカル・トラックに金と時間を割いて欲しかったな、と。
因みに、1stアルバムで本家発表の翌年にブラックサバスのBlack Sbbathを早くもカヴァーしとるよーに、ギターの音なんかはディープ・パープルの『イン・ロック』あたりを想起させますが、歌唱法は本作も歌の巧いオジー・オズボーンって感じです。
冒頭に戻りまして、昨年、肺癌を患い、秋には自宅が全焼したっつーニュースは知ってたんですが、自宅全焼からほどなくして内田裕也のイベントに参加して(律儀だなあ。)Satoriを熱唱したっつーニュースを新たに見つけました。
肺癌患って、64歳で歌ったならとんでもねーなっつー。
更に、ソロになってからヒット曲が結構あるんで「住むとこなんて賃貸でええやん」と思ってたら、前妻との間に生まれたせがれの家に身を寄せとるっつー。
んなわけで、映画『人間の証明』のラストに流れる名曲と、デビュー期は別人のよーですが、双方を聴き比べてみましょー。
てかなぁ、最新の再発元が海外のレーベルだったり、実際、海外のが評価高ぇみてーなんで、同路線で続けてたらメタル・ブーム期のラウドネスやヴァウ・ワウどころじゃねーバンドになってたんじゃねーですかねぇ。
<ジョー山中 - 人間の証明>
<Flower Travellin' Band - Satori, Pt. 5 >
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コメント
Eve | URL | -
*
>>ネット上で雑感や情報を発信する奴を露出狂とする傾向があります。
ま、あながち間違いじゃねーですな。
↑
...てことは私も露出狂!?自分の事引っ込みじあんの恥ずかしがり屋サンだと思ってたワ
内田裕也のアノ時代は[俺はロッキンローラー]で何となく読んだ気がします
ただこの書籍は著者のものすごいファンでないと楽しめない代物
私にはヘヴィー過ぎました
それにしても希林と裕也ファンキーなカップルですね
( 2011年01月23日 03:16 )
ハンク | URL | 3fP8K/.I
Re: *
> ...てことは私も露出狂!?
あらやだイヴイヴ!(ここ一年でバイ、ゲイの友達が多い人と知り合うことが多くなり、たまにおネエ言葉になる。)
例えばよ、自分の好きなCDや映画を紹介しても「うっせぇよ、テメエが好きなもんなんかどーでもええよ」と思われても仕方ないわけね。
でもね、同じ趣味・嗜好の人は「駄作!」とかチョメチョメとか言われてる作品を、天の邪鬼じゃなく「こう解釈すれば傑作ではないが秀作と言ってもいい。評論家やそれに影響を受けた輩の意見で客観性を失ってはいけない」なんて記事と出会うと「自分はこう評価しているけど、そういった感想は面白いです」とかディスカッションのきっかけになるわけね。
あと、ネット上で見つからない、もしくは消え去った情報なんかを探してる人もいるのね。
それが現在入手不可能な書籍なんかに記述されてて紹介すると、お礼のコメントはなくても感謝されることがあるのよ。
元々、好きで書いてるわけだからお礼されなくても虚しくないしね!
> 内田裕也のアノ時代は[俺はロッキンローラー]
凄い本読んでるなぁ。
い、一応、職業柄手に取ったと解釈。
好きこのんで手に取ったなら、たまげたなぁ。
> それにしても希林と裕也ファンキーなカップルですね
ジョンとヨーコの『未完成』のジャケットのオマージュかと思った(笑)
( 2011年01月23日 20:05 [Edit] )
K | URL | ClQyqZaM
ジョー山中って
久しぶりに名前聞いて思い出したんですが、
俺この人と飯食ったことあります。
俺が中学の頃(8年くらい前)近くのアパートのオーナーのおっさんがジョニー吉長と仲良しで、席数1000位のド田舎の文化会館に呼んでライブやってくれた記憶があります。そういえばムッシュかまやつも来たな…
中学生の俺たちは「誰?このおっさん?」て感じだったんですけど。
あのおっさん何者だったんだろう…
( 2011年01月25日 02:23 [Edit] )
K | URL | ClQyqZaM
っていうか
書き忘れましたけど、Satoriめっっちゃかっこいいですね!
以前紹介されていた伊福部昭を聴いたときも思いましたが、単に日本人が西欧の真似をしましたって感じじゃなくて、向こうのフォーマットに乗せて上手く日本らしさを出しててかっこいいです。
あと、このブログは俺の音楽の幅を広げてくれているのでとても感謝していますよ。
( 2011年01月25日 02:45 [Edit] )
ハンク | URL | 3fP8K/.I
FTB
ある意味凄いメンツのライブ観て飯食ったなぁ(笑)
> 書き忘れましたけど、Satoriめっっちゃかっこいいですね!
ナショナリズムでいけば「Satori」。クォリティ重視なら「メイク・アップ」。
個人的に「Satori」の荒削りで媚びてないとこが好きだけど、「メイク・アップ」のジョー山中の歌唱力や、海外のスタジオ録音、プロデュース第二弾を考えるとこっちも捨てがたい。てか、10分強の名曲バラードとか収録しといて一回目のラスト・アルバムって勿体なさ過ぎる。
( 2011年01月25日 22:42 [Edit] )
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