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Riders On The Storm

2010年11月09日 21:42

テテテテテテテテテテテテ♪
タァ~タァ~タラララァ~♪

(シューベルトの交響曲『未完成』の節で。)

「こんばんは、小佐瀬(おさせ)クリステルです」(斜め45度の角度で。)

タァータ、タァータ、タァータララ♪

「今夜の『横丁文学の匠』はゲストにH.D.ハンクさんをお招きしました。こんばんは」

こんつは。

「噂通り小汚いですね」

まあな。(舐め回すように司会者を見る。)

「今回のテーマの前に、処女作となる詩集の内容について、おうかがいしたいのですが」

あー、収録されてんのは「亀頭を子宮口に擦りつけたい」「お前は顔射させてくれなかった」「噛まれた亀頭に残る歯形は三ヶ月」とか色々。

「...。随分とラディカルな題名のものばかりですが、何を揶揄して?」

いや、別に。ほら、チンポでだな、子宮口をごいごい突くと、子宮が萎縮して感じまくってる女の顔を見るのが大好きでね。フヒヒ...。

「話題を今夜のテーマに変えましょう」

てかさ、その前に小佐瀬クリステルって、改名したらいいと思うな。小佐瀬クリトリスに。

!!。ディレクター!アタシ帰りますからね!」
(アイス・ティーが注がれたグラスを叩きつけ退出。)

洒落が通じねえなぁ。
てかさ、滝川クリステルって聞いてたのに偽物なんだもん。
...。俺?俺が勝手にやれって?

<しばらくそのままでお待ちください。>

 こんつは、ハンキー・ドリー・ハンクです。
あー、浅はかな知識曝す羽目になるんで、躊躇したんですが、ドアーズのジム・モリソン在籍中、最後のアルバムになった『LAウーマン』の再考察。
このアルバムに対するファンの評価は大きく異なります。
ライトなファンは、発表後にジム・モリソンが亡くなったんで、風貌や歌唱法に「精気が抜けて、かつての破天荒さがない。歌もへろへろ」とかっつー印象を持ってるしともいるみてーです。
耳腐ってんのかっつー。
歌がへろへろどころじゃなく、フランク・シナトラを意識した歌唱法に変えたから印象が異なるだけで、デビュー期のリバーブでピッチが危ういのを誤魔化したのを考えると、イコンとしてじゃなく、ヴォーカリストとしていい仕事してると思います。
あと、酒太りはしゃーないとして、あの髭はチェ・ゲバラの行動力への憧れだったみてーです。単なる無精髭じゃねーっつー。

 この作品は、ジム・モリソンが脱退した状態でリハーサルに挑んだからか、プロデューサーであるポール・ロスチャイルドが、散漫な演奏とお気軽にヒットを狙ったよーなLove Her Madlyに激怒してプロデュースを降りました。(当時、ドアーズはRiders On The Stormを「ラウンジ・ミュージックみたいな曲」と指摘されたと思っていたようで、双方の誤解は1980年代の再会で解けた。)
ポール・ロスチャイルドはドアーズだけをプロデュースしてたわけじゃねーですが、ギターのロビー・クリーガーに「どいつもジミ・ヘンドリクスを真似てワウ・ペダルを使っている。ドアーズはドアーズの音でなければならない。ワウは使うな」とか、うざいながらも的確なアドバイスをしてくれた育ての親みてーなもんです。
なので、彼が去る=良い作品にならないと考えた、リーダーのレイ・マンザレクは急遽ドアーズ・ワークショップを設立。デビュー作のリハーサルばりに一致団結し、エンジニアであったブルース・ボトニックの協力を得てセルフ・プロデュースで見事なサウンドに仕上げました。

 聴きやすさでいけば、前作『モリソン・ホテル』なんですが、『LAウーマン』は同じブルース・ロックながら、ロビー・クリーガー作のLove Her Madlyやジョン・リー・フッカーのカヴァー、Crawling King Snakeなんかを除くと、ジム・モリソンの歌詞が、ロック・スターとしての歌メロに合わせたもんから、歌メロに合わせつつ詩人としてのもんに変遷しとります。
てか、The WASP (Texas Radio and the Big Beat)に至っては、ポエトリー・リーディングに力強い演奏で支えてるよーなもんです。(これは少年時代にメキシコとの国境付近で過ごした際に、ラジオから聞こえてくる様々な音楽を思い出し作詞されたそうだ。)
んで、コンセプト・アルバムじゃねーですが、約半分の曲の歌詞はLAを中心としたアメリカの叙事詩的なもんとも解釈できます。
僕ぁ日本生まれで日本の文化や歴史に慣れ親しんできたんで、アメリカの歴史や文化に疎いです。
が、ウォルト・ホイットマンまで遡ると、ジム・モリソンの『LAウーマン』における歌詞はポップ・ミュージックと文学としての詩の融合に成功したんじゃねーかと思います。

 ウォルト・ホイットマンは、長編『草の葉』が有名ですが、市井のしとじとの営みや、そーいったしとらも詩を書いたってええじゃないっつー作風から、歴史あるヨーロッパの詩人と趣きが異なります。

「偉大なる詩人の役割とは、奴隷を勇気づけ、そして独裁者を怯えさせることだ」
-ウォルト・ホイットマン

んで、彼がまいた種は、E.E.カミングス、エズラ・パウンド、ハート・クレインといった芽を出すに至りました。
日本じゃ代表作『橋』すら現在翻訳版がねーハート・クレインの短編詩からジム・モリソンは曲名を拝借しとります。

 ハート・クレインは、恋人(でも、ゲイ・セクシャル。)と二人で歩いたブルックリン橋で覚えた恍惚感から『橋』を思いついたそーですが、全文を読んでねーながら(だから浅はかな知識を曝すと自制しようとしたのだが。)ヨーロッパのよーに神話や歴史といったもんが存在しねーアメリカに、コロンブスの大陸発見から近代に至るまでを多元的に綴ろうとしたよーです。
こりはウォルト・ホイットマンもベクトルは異なれど目指していたもんですが、ハート・クレインはより理念的にアメリカの統合を夢見ていたと思えます。
が、その『橋』にばかり注目がいきがちですが、彼の短編詩は美しいです。
日本人の僕からすると、韻のふみかたとかは優劣がわからんのですが、以下、Riders On The Stormっつー言葉を拝借した短編。

Praise for an Urn/Hart Crane
In Memoriam: Ernest Nelson

It was a kind and northern face
That mingled in such exile guise
The everlasting eyes of Pierrot
And, of Gargantua, the laughter.

His thoughts, delivered to me
From the white coverlet and pillow,
I see now, were inheritances―
Delicate riders on the storm.

The slant moon on the slanting hill
Once moved us toward presentiments
Of what the dead keep, living still,
And such assessments of the soul

As, perched in the crematory lobby,
The insistent clock commented on,
Touching as well upon our praise
Of glories proper to the time.

Still, having in mind gold hair,
I cannot see that broken brow
And miss the dry sound of bees
Stretching across a lucid space.

Scatter these well-meant idioms
Into the smoky spring that fills
The suburbs, where they will be lost.
They are no trophies of the sun.


亡くなった友人との思い出に耽る内容ですが、友人が余命幾ばくもないっつー表現に「真っ白な掛け布団と枕」っつー表現を用い、友人と過ごした日々の思い出は遺産であると理解し、受け取ったそれは「優雅なる嵐の疾駆者達」であると。
僕ぁ「優雅」と訳して読みましたが、それと相反する「嵐」を、そして「突き進む者」っつー言葉選びが秀逸だな、と。
一応、詩集と書簡集を合わせたもんが唯一翻訳で手に入る彼の書籍なんですが、これまた高い。僕ぁ詩は殆ど読まねーですし、書くに至っては皆無ですから手が出せんです。

 幸か不幸か、映画『欲望』で有名なミケランジェロ・アントニオーニの、映画『砂丘』のために作ったのに「作品にそぐわない」とボツにされたL'Americaも歌詞が興味深く、ドアーズの出発点であったLAを舞台にしたLA Womanの歌詞、そしてアルバムのラストであるRiders On The Stormらが収録された『LAウーマン』は叙事詩とポップ・ミュージックの融合に半ば成功したもんじゃねーかと思うのです。
因みにRiders On The Stormは、人生における不条理な運命や愛も絡め、レイ・マンザレクの美しいエレクトリック・ピアノの旋律が印象的な名曲です。
ジム・モリソンがリフレインするRiders On The Stormが何を意味するのかはハート・クレインとは異なるでしょーが、ちょっとコアなファンがアップしたもんを観て聴いてみましょーか。

<THE DOORS/Riders On The Storm>


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